史跡巡り 歴史 宗教・神話

鹿児島の月読神社と謎の神・月読命①

皆さん今日は、珠下(たまもと)なぎです。

今日も来て下さって、ありがとうございます!

 

さて、映画感想が続きましたが、今回は久しぶりに歴史記事にもどります。

先日機会に恵まれ、初めて観光目的で鹿児島を訪れることが出来ましたので、訪れた神社についてご紹介したいと思います。

今回は、桜島の月読神社のレポートです。また、月読命自体大変謎の多い神様でもありますので、それについてもご紹介したいと思います。

 

1.桜島へ

九州に住んで20年以上になりますが、私は観光目的で鹿児島を訪れたのは初めてです。学会、研修会で2度ほど訪れたことはあるのですが、いずれもとんぼ返りでした。

博多から新幹線で1時間半、駅弁を食べたりうたたねをしたりしていましたらあっという間でした。鹿児島駅前から市電に乗り換え、さらにフェリーで桜島に向かいます。噴煙を上げる桜島がどんどん間近に迫って来る様はなかなか迫力があります。空気も火山灰を含んで独特の臭いがします。

 

2.月読神社

月読神社は、フェリー乗り場から右手に歩いて5分ほどの場所にあります。1の鳥居までは結構な勾配です。

  

 

ご由緒は「勧請不詳。和銅年間(708~715年)と伝えられる」とあります。小さいですが、かなり歴史のある神社です。

ご祭神はもちろん月読命。天照大御神の弟神ですね。

合祀されているのは①邇邇芸命(ニニギノミコト)、②木花咲耶姫命(コノハナサクヤヒメノミコト)、③彦火火出見命(ヒコホホデミノミコト)、④鵜草葺不合命(ウガヤフキアエズノミコト)、⑤豊玉姫命(トヨタマヒメノミコト)。

天孫降臨伝説の地に近いこともあり、月読命以外は全て天孫降臨伝説にまつわる神様です。後日、霧島神宮紹介の記事で詳しくご説明しようと思いますので、今回はざっとのご説明にとどめます。

①は高天原から降りた天照大御神の孫、②はその妻、③は①と②の息子。昔話でよく取り上げられる、山幸彦です。⑤が③の妻、④は③と⑤の息子で、神武天皇の父です。神武天皇の父と父方祖父母、さらに曾祖父母と考えた方が分かりやすいかもしれません。

ちなみに、この月読神社はもともとは別の場所にありましたが、大正3年の桜島の大噴火で鳥居まで火山灰に埋まってしまい、今の場所に移されたのだそうです。

 

3.本殿

木花咲耶姫が祀られているためか、可愛い鳩型の「鳩みくじ」などもあって、若い女性に人気だそうです。ちなみに「桜島」の語源は、「木花咲耶姫」だとも言われているそう。

二の鳥居までもかなり坂を登ります。

 

やっと見えてきた2の鳥居。

 

本殿はこちらです。

 

千木は外削ぎ。千木とは、この写真に見えるような、屋根の両端でX型にクロスさせた部分のことです。この両端が地面に向かって垂直に整えられているのが外削ぎ。主祭神が男性であることを表します。地面に向かって並行に整えられているのが内削ぎで、女性の神様を表しています。

 

4.謎の神、月読命 

『古事記』や『日本書紀』を読んだことがある方なら、月読命の誕生についてはご存じかもしれません。

黄泉の国から帰って来た伊弉諾命が右目を洗った時に生まれたのが月読命、左目を洗った時に生まれたのが天照大御神。鼻を洗った時に生まれたのが須佐之男命。この三神は「三貴子」と呼ばれます。

ところが、月読命に関する記述は他の2神とは比べ物にならないほど少なく、祭神とする神社も、天照大御神の13582社、須佐之男命の13542社にくらべ、704社と極端に少ないのです。また、『記紀』の記述もごくわずか。次回の記事では、この謎の神様について考察したいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

 

 

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