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珠下なぎの歴史メモ⑯ハロウィンの歴史その4 パーティでも楽しめる!?ハロウィンのあれこれ占い集

皆さん今日は、珠下なぎです。

今日も来て下さって、ありがとうございます!

 

はじめに

本日は先日の予告どおり、18世紀のイギリス諸島で行われていたハロウィンの占いについてご紹介したいと思います。

ラギボウルやフォーチュンケーキ、リンゴを使った占いなどは、今でも簡単に真似できそうなので、イベントやハロウィンパーティのご参考にいかがでしょうか?

 

これらの習わしを現在に伝えたのは、18世紀のスコットランドの詩人ロバート・バーンズ。「ハロウィーン」と題された252行の詩の中に、当時の風習をいきいきと伝えています。実はこの方、「蛍の光」の作詞家としても有名だそうです。「蛍の光」はもともとスコットランド民謡だったんですね。

 

①ケーリング

当時のよく栽培されていた、「ケール」という野菜を使った占いです。当時最も人気のあった占いの一つ。

ケール畑に入って茎を引き抜き、茎の形状や味によって将来の伴侶がどんな人かを占うというもの。

茎の形が大きくてまっすぐなものがよいとされ、また、味がすっぱいか甘いかによって相手の性格を予想したりもしたそうです。

他に、キャベツを使うバージョンや、畑に入るときに目隠しをしたり後ろ向きに入ったりしなければならないなど、色々なバリエーションがあったそうです。

このケールという野菜、日本ではあまり食べられることはありませんが、ブロッコリーやカリフラワー・キャベツなどのご先祖さまだそうです。

これらの野菜はケールを改良して作られたものです。

ちなみに、ケールは、健康飲料「青汁」の材料でもあります。

 

②ナット・バーニング

二つのヘーゼルナッツの実を使った占い。

恋に迷う人が二つのナッツに恋人候補の名をつけ、炎に投げ込むと、長く炎を上げた方が真実に愛する人だという占いです。

二つのナッツを愛し合う恋人同士に見立て、燃え尽きた後の灰が一つになれば添い遂げられる、身がはぜて離れてしまえば別れてしまう、とカップルの未来を占うバージョンも伝えられています。

 

③ラギボウル

未婚男性の将来の結婚相手を占うもの。

三つのボウルを用意し、一つにはきれいな水、一つには濁った水を入れ、もう一つは空のままにしておきます。

男性は目かくししてボウルに触れ、最初に触れたボウルがきれいな水のボウルであれば乙女と結婚、濁った水のボウルならなら寡婦と結婚、空のボウルなら一生独身。

これもとても人気のある占いで、後にアメリカに渡ってからも引き継がれました。その時はきれいな水と濁った水、空のボウルではなく、赤と青の色水、透明な水を入れて占っていたそうです。こちらの方がパーティには向いていそうですね。

 

④フォーチュンケーキ

これは有名なので聞いたことがある方もおられるでしょう。ケーキの生地の中に、指輪、コイン、指ぬきを入れて焼き上げます。

切り分けて食べる時、指輪が入っていれば結婚が、コインが入っていれば富が予見され、指ぬきが入っていれば一生独身とされました。

主に女性を対象とした占いだったようです。

 

⑤リンゴと鏡の占い

占いたいことのある若い女性が真夜中にリンゴを持って鏡の前に立ち、リンゴを切り分けるか食べるかすると、愛する人の顔が鏡に映るとするものです。

これは、20世紀になっても人気のあった占いですが、こんな怖い伝説もあります。

「これを試みた使用人の女性が鏡の中に恐ろしいものを見たが、それについては口を閉ざしたままだった。彼女は翌日鏡の前で恐怖の表情を浮かべたまま死体となって発見され、鏡は粉々に割れていた」

真似する方はくれぐれもご注意を。

 

⑥リンゴの皮が恋人のイニシャルに?

リンゴの皮を途中で途切れないように続けて剥きます。それを左肩越しに投げると、リンゴの皮が将来の恋人のイニシャルを示すという占いです。

 

⑦アップル・ボビング

これは占いというよりゲームの性格の強いものですが、大変人気があり、ハロウィンの夜にはよく遊ばれていました。

吊り下げられた角材の片方には火のついた蝋燭を、片方にはリンゴをぶら下げて、くるくると回します。

参加者は後ろ手に手を縛られ、口を使ってリンゴをつかみ取り、つかみ取れた人の勝ち。

勝者は勝ち取ったリンゴのかけらを枕の下に入れて寝ると、運勢を告げる夢が見られるとされたり、実在の女性のイニシャルをリンゴに刻んでどの女性のリンゴをどの男性が勝ち取るかで将来の恋の行方を占ったりしたそうです。

一歩間違えれば大けがにつながる占いなので、良い子は絶対に真似しないで下さいね!!!

 

まとめ

18世紀以降のイギリスの人たちは、この世と妖精の世界がつながるハロウィンの夜、ちょっと怖くて不気味な占いやゲームに興じ、幸運をもたらすとされるソウルケーキ(干しブドウをトッピングした丸いシードケーキ)やケールを使ったハロウィン料理を食べてハロウィンを楽しみました。

また、サムハイン祭を引き継いで、労働者が雇用主との関係をいったん清算し、次の仕事を探す節目の日という性格もありました。

 

今私たちが楽しんでいるハロウィンの祝い方とは、ずいぶん違うことがお分かりいただけたでしょうか?

 

次回からはイギリスから新大陸に渡ったハロウィンが、どのような発展を遂げたかについてお話したいと思います!

最後まで読んで下さって、ありがとうございました!

 

 

 

 

 

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