サブカル チェリまほ

チェリまほキャラの魅力⑤柘植将人編

はじめに

皆さん今日は、珠下なぎです。

今日も来て下さって、ありがとうございます!

さて、今日も引き続き、チェリまほキャラの魅力を語っていきます。

チェリまほは癒しや優しさ、感動など、色々なものを私たちに与えてくれる素晴らしい作品ですが、私は意外なキャラから意外な勇気を頂いています。

それは小説家、柘植先生。本日は柘植先生について語りたいと思います。ちょっと自分語りも入りますがお許し下さい。

 

小説家としての柘植先生

柘植先生に自分を重ねてしまったたまなぎ

安達くんにとってのほぼ唯一の友人で、売れっ子作家の柘植先生ですが、彼にも売れない時期がありました。

柘植先生は大学時代に作品を出版社に応募したことがきっかけで、出版社から担当がつくようになります。

けれどそれで調子に乗ってしまい、就職もせず小説一本で頑張ろうとしますが、何作書いても賞が取れず、悶々とした日々を過ごします。

原作によると、まっとうに働いている安達くんを見るのが辛くて、会うのを避けた時期さえあったといいます。

うーむ、他人事とは思えないんですね。

チェリまほに出会った時、私は初の電子書籍を出版した頃でした。この段階での私は珠下なぎ名義での著作は、電子書籍と紙媒体で1冊ずつのみ。しかも紙媒体は10年以上前。

公募は連敗続き、しかも2年連続最終選考落ちのダメージを食らった直後でした(よく誤解されますが、公募は上に行くほど落選のダメージが大きいです)。

電子書籍は思ったより反響があり、ありがたいことに紙書籍化・続編につながりましたが、この時はまだそんなことは分からず、「そろそろあきらめた方がいいのかな……」などと漠然と考えていた時期でした。

 

勇気をくれた柘植先生の言葉たち

そして結局、創作をあきらめきれずにいるたまなぎは、柘植先生の言葉から、いつも勇気をもらっています。

特にドラマ8話で柘植先生が湊くんに向かって叫んだ、
「本気の奴をバカにするやつはどこにでもいる。夢を持たぬ者、あきらめた者はそうなりがちだ!」
「自分を信じろ!」」
はまるで自分に言われているような気がしました。

そして、バイトをしながらダンスを続けても、なかなか芽が出ず焦っている湊くんの気持ちも痛いほど分かります。

柘植先生の湊くんを応援する言葉は、それが柘植先生自身の辛い経験から発せられたものだったからこそ、余計に説得力を持ち、湊くんの心にまっすぐに届いたのでしょう。

けれど柘植先生、甘いだけではありません。
原作7巻では、続けるコツを湊くんに聞かれた柘植先生。
「読んでくれる人の顔を思い浮かべることだろうか」
「結局読んでくれる人がいないと、創作なんて所詮、戯言(たわごと)にすぎんからな」
うっ、柘植先生、肝に銘じます。独りよがりになるなってことですね。

ただいま製作中の新刊は、たまなぎの読みたいものを読みたいように書いてしまいましたが、読者の方の目から見て楽しめるものかどうか、もう一度総点検したいと思っております。

 

柘植先生の魅力

恋愛小説家なのに魔法使いの柘植先生

柘植先生といえば、安達くんと同じ「魔法使い」。

そもそも柘植先生は、11巻によると、ミステリー作家志望だったそう。しかし全く芽が出ず、編集者に勧められて恋愛小説を書いてみたところ当たったので、恋愛小説作家になったそうです。

ミステリー作家志望ですか。理知的な柘植先生らしいですね。

しかし、恋愛小説が当たったということは、恋愛小説の方に才能があったということなのでしょう。

「作家は経験したことしか書けない」なんてハッシュタグが一時期X(旧Twitter)で流行ったことがありましたが、柘植先生を見ていると、そんなこと真赤な嘘であることがよく分かりますね。

そりゃそうです。そんなこと言いだしたら歴史小説もファンタジーもSFも書けません。

たまなぎだって、天然痘にかかったことなんてありませんし、まして幽体離脱したことも、煮えたぎる源泉に飛び込んだこともありません(笑)。

たまなぎは思うのですが、小説には2種類あって、「いかにもありそうで共感される」ものと、「現実にはとてもありそうではないけれど、読んでいて「素敵だな、憧れるなと思われる」ものがあるのではないでしょうか。

柘植先生の恋愛小説は、後者なのかもしれません。

しかし、湊くんに出会って、「もう一度自分が書きたいと思うものに挑戦しようと思った」という柘植先生。いつかミステリー作家としても活躍するかもしれません。

 

安達くんに共通する、真面目さ、誠実さ

柘植先生は、1巻で安達くんのことを「真面目過ぎ」「不器用すぎ」「だからおまえはモテないんだ」などとさんざんにこき下ろしますが、どうしてどうして柘植先生も、安達くんに負けず劣らず真面目で不器用です。

心が読める力を隠したまま湊くんに触れることがどうしてもできず、「心が読めるんだ」といきなりカミングアウトしてしまう柘植先生。

仲直りした湊くんにも、「心が読めたところで、アンタがうまく使いこなせてたとは思えないし」とずばり言われてしまいます。

観察眼が鋭く、人のことはよく見ていて冷静な判断が下せるのに、自分のこととなるととたんに鈍くなり、口下手で不器用になる。

そのギャップが柘植先生の魅力でもあるように思います。

真面目さ・不器用さ・誠実さは、安達くんと共通しています。この二人が大学卒業後も長いこと友人関係を続けていられるのも納得です。

個人的には、原作5巻で、新商品のモニターのために会社のイベントに柘植さんを呼んだシーンで、キラキラした友人に囲まれている黒沢さんに引け目を感じ、柘植さんの登場で「友よ!」とほっとした表情になる安達くんがとてもツボです(笑)。

そして、恋愛小説を書く上で観察眼の鋭さや分析力、人に真面目に誠実に向き合う姿勢は、いずれも大きな武器になっていることでしょう。

 

おわりに

チェリまほは安達くん及び主人公カップルを全力で推しているたまなぎですが、この記事を書くために改めて原作を読み返して、柘植先生も改めて魅力的な人だなと思いました。

最後まで読んで下さって、ありがとうございます!
またのお越しをお待ちしております!

 

 

 

 

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