伝統文化・習俗

鬼すべ神事の全貌と、見学に行きたい方へ

はじめに

皆さん今日は、珠下なぎです。

今日も来て下さって、ありがとうございます!

さて、しばらく心のケアに関する記事や推し活記事が続きましたが、今回は久しぶりに歴史記事です。

というのも!

昨年気になって色々調べたものの、急すぎて行くことのできなかった鬼すべ神事に、今年はとうとう行くことができたのです!

ちびぬいズも一緒に!(この記事読んでる方は多分そこはどうでもいい)

本で調べただけでは分からないことが沢山ありました。また、今後実際に見学に行く方にもお知らせてしておきたいことが色々ありましたので、レポートしたいと思います。

 

鬼すべ神事そのものを知らない方は、まずこちらをご覧下さい↓

 

5時半現地到着目標に、いざ出発!

鬼すべ神事のクライマックスは21時頃に鬼すべ堂で始まる火渡し。しかし、この日は15時から追儺の行事、17時から鷽替え行事もあり、かなりの混雑が予想されました。また、19時前後から鬼すべ神事のそれぞれの係が鬼すべ堂に向かい始めることも分かったので、「駐車場がない!」などという事態を回避するため、17時半に太宰府天満宮到着を目標に出発しました。

当初、たまなぎは車を九博(九州国立博物館)後方の駐車場に停めようと思っていました。鬼すべ堂に近く、帰りも混雑に巻き込まれにくいと考えたのです。

ところがところが!

九博後方の駐車場は、九博が閉館すると閉まってしまいます(これは知らなかった!)

慌てて引き返し、別方向から天満宮に向かいます。けれど、かなり車が混んでいます。直営駐車場には停められるかどうか危ない。しかも、コインパークもどこも満車。

幸い、天満宮から歩いて5分ほどの場所の民間の駐車場が開いており、停めることができました。2時間までで500円先払い、とのことでしたが、「鬼すべ神事を見に来たんですが……」というと、快くOKして下さいました。

さて、次は腹ごしらえです。さっと食べられるものをと、西鉄太宰府駅前のラーメン屋さんへ。この時点で18時少し前。10分ほどの待ち時間で済みましたが、出る頃には10人以上の行列が出来ていました。ギリギリセーフ。

 

思ったより早い時間に遭遇した、燻手係

鬼すべ神事は、「鬼係」、鬼を守る「鬼警固係」、鬼を煙で燻して退治する「燻手係」の3手に分かれて行われます。

太宰府天満宮の公式発表によると、燻手係が19時に、鬼警固係が19時20分に公民館を出発するとのこと。

寒いし、時間を見るとまだ18時半ですから、焼き立ての梅が枝餅をゲット。久しぶりに食べた焼き立ての梅が枝餅は、さくさくで美味しい~!

舌鼓を打ちながら、参道をゆっくり天満宮方面に向かって歩いていると……!?

 

背中に「燻手」と書かれた小豆色の法被をお召しになった男性たちが!

燻手係の皆さんじゃありませんか⁉ 思ったより早い!

頭には、藁で出来た鬼の角のような飾り物を着けておられます。そのまま、鬼の角を表しているそうです。

背中には、斜めがけにした綱。これは命綱で、万一炎の中に転びそうになったり転んだりしたとき、仲間が引っ張って助けるためのものなんだそう。

 

夕方になり、シャッターのしまった商店街に、次々とこんなものが立て掛けられ始めました。この正体は鬼すべ神事で判明しました。

 

しばらくして、発声練習らしきものが始まりました。

「オンジャ、オンジャ」と言っているように聞こえますが、「鬼じゃ、鬼じゃ」の掛け声でした。

 

人垣の向こうで、何かに点火された模様?

煙が上がり始めました。

 

鬼すべ堂へ

この時点で19時過ぎ。警固係の練り歩きも見たかったのですが、あまり遅くなると鬼すべ堂が混むという情報を事前に入手。クライマックスの火渡しのある鬼すべ堂は、20時くらいから混み始めるらしいので、少し早いですが場所取りに移動することにしました。

ところが、夕方ともあって、天満宮方面から帰る人が多く、しかも参道の真ん中は燻手係の皆さんが陣取っているので、なかなか天満宮方面に進めません。

鬼すべ堂に到着したのが19時30分。

 

ところがところが!既に最前列は埋まっていました!

何とか2列目を確保。それでもどんどん人は増えます。しかも寒い! ホッカイロ持ってきて正解でした。

 

鬼すべ堂を見ると、普段はなにもない所に板壁が作られ、前に生松葉60杷と藁200杷が積まれています。この、松葉と藁を積み上げて作ったものを燻カマと呼びます。

普段の鬼すべ堂と比較すると、違いがよく分かります。

 

こっちが普段の鬼すべ堂。

 

最初に登場したのはこども警固

しかしこの寒さの中1時間半立ちっぱなしはつらい。と思っていると、20時半くらいから、動きがあり始めました。

まず、20時23分、子ども警固到着。

次世代を育てるため、警固係と燻手係には、子どもバージョンもあるんだそうです。可愛い声を張り上げて、「おにじゃ、おにじゃ」って一生懸命。可愛いですねえ。癒されます。

 

20時23分、大人の警固係到着。

 

20時39分、子ども燻手係登場。

 

そして20時49分、燻手係登場。

 

ついに、鬼係登場

21時、とうとう鬼係の登場です。画面右端の、鬼面が見えますか?

この人は鬼面使い。鬼を先導する役です。

 

鬼の姿が見えない……と目を凝らしましたが、見えなくて当然でした。

体の48か所を縄で縛られた鬼は、むしろで体を隠し、鬼係を務める大町の人たちに囲まれて登場します。最前列ならむしろくらいは見えたかもしれませんが、夜で2列目だと厳しかったです。

この後、神職の皆さんが鬼すべ堂の中にある祭壇で祭事を行い、燻カマの祓いを行います。祭壇の祭事は鬼すべ堂の中で行われるので、一般の観客からは見えません。写真は平時に撮ったもの。

 

 

いよいよクライマックスへ

鬼すべ堂の前に建てられた、宝蔵松明・鬼松明・竹松明。

 

神職による祓いが終わると、燻カマ(藁と松葉)に火がつけられ、燻手は唐団扇であおって煙を堂内に送り込みます。さっき参道で見たのはこれだったんですね。

炎の熱と煙が、すごい迫力です!

中には唐団扇に火が点いたものもあり、見物人から悲鳴が上がっていました。(あれ、たまなぎについてきた子たちがいますよ。探してみて下さいね)

 

この後竹松明が堂の西面に移動され、その灯りに先導される形で鬼警固役が堂内に入り、板で作られた壁を叩き破ります。これが破られると、鬼警固係が鬼を迎えに行き、鬼は鬼係に囲まれて鬼松明を先頭に堂内に入ります。

鬼は体の48か所を縛られた状態で堂内を7回半、さらに堂外を3回半回ります。1回回るごとに堂内では神職が、堂外では氏子会長が卯杖(うじょう)と言われる杖で鬼を打ち、豆を投げつけます。全て終わると鬼は消え、鬼すべ神事は終了です。

いくら鬼「役」とはいえ、鬼が果たす役割はかなりハード。

昔は、天満宮に朝一番に参拝に来た人を捕まえて鬼にしていたそうですから、事情を知らずに捕まった人はたまったものではないでしょう。

鬼役の人が逃げ出したという、筑紫野市の昔話もうなずけます。

クライマックスの様子を写した動画はこちら。↓

 

おわりに、見学に行く方へ注意点

最後に、見学に行く方へ、いくつか注意しておいた方が良い点を。

①最前列で見たいなら19時過ぎには場所取りが必要。時間に余裕を持って出かけましょう。

②駐車場に車を停める際は、九博後方の駐車場は使えません。駐車場に車を入れるのに時間がかかることもあるので、公共交通機関を使うか、時間に余裕を持って出かけましょう。

③かなり寒いです。カイロ、手袋は必須です。ないと途中でリタイアするはめになるかも。たまなぎはセーターにダウンジャケット、手袋にカイロのフル装備で参加しましたが、終わるころには手がかじかんでいました。マフラーもあった方がよかったかも。

④参道のお店は日没と共にほとんどが閉まってしまいます。食事をする時はお店の閉店時間と場所をしっかり調べておいた方がいいです。少ないお店に人が集中するので早めにすませましょう! 

 

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

 

 

 

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