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映画『エゴイスト』ネタバレなし感想~見るべきか迷っている人へ

皆さん今日は、珠下(たまもと)なぎです。

今日も来て下さって、ありがとうございます!

 

さてさて今日は久しぶりに映画感想です。

先日の休日に、映画『エゴイスト』を見てきました!

正直、見に行くかどうか少し迷っていました。

ポスターや予告編からも、「エゴイスト」という題名からも、

「欲望とかエゴイズムを描いた、かなりドロドロした作品なんじゃないかな?」

「あまりに生々しすぎたらどうしよう……」

などの疑念がよぎったからです。

けれど、Twitterで見る限り、チェリ家のフォロワーさんからの評判があまりに良いので、思い切って見に行ってみることにしたのです。

 

結果……見に行って良かった!

一人で見るのもったいなかった(誰か連れてくれば良かった)!

 

ラストシーンの後は、あまりの衝撃にこの映画が男性同士の恋愛を描いた映画であることさえ忘れていました。

というわけで、私的にはかなりお勧めの映画です。以下にその理由を示しながら、この映画をご紹介したいと思います。ネタバレはなしですので、鑑賞を迷っている方はぜひご覧下さい。

 

1.あらすじ

Yahoo!映画サイトには、あらすじは次のように紹介されています。

東京の出版社で、ファッション誌の編集者として働く浩輔(鈴木亮平)。自由気ままな日々を送る彼だが、14歳で母を失い、田舎町でありのままの自分を隠しながら思春期を過ごした過去があった。ある日彼は、シングルマザーである母親を支えながら働く、パーソナルトレーナーの龍太(宮沢氷魚)と出会い、惹(ひ)かれ合っていく。亡き母への思いを抱える浩輔は、母親に寄り添う龍太に手を差し伸べ、彼を愛する日々に大きな幸せを感じる。あるとき浩輔は、龍太とドライブの約束をするが、龍太はいつまでたってもやってこなかった。

 

2.ドロドロ感は全くない

恐る恐る見始めた作品でしたが、正直言ってドロドロ感は皆無でした。

前半には性描写もかなりありますが、生々しさよりもむしろ切なさや、悲しいまでに相手を思うひたむさが伝わって来て、嫌悪感は全く抱かずにすみました。

主人公の浩輔と恋人の龍太のお互いを思う気持ちも純粋で、こちらの心が痛くなるほどでした。

 

3.愛はエゴイズムなのか? というテーマは、予想と正反対だった

「愛とエゴイズム」がこの作品のテーマだというのは、見なくても分かります。

ポスターに堂々と、「愛は身勝手。」なんて、書いてありますし。

けれどそれは、「愛する人を自分のわがままで困らせてしまう」とか、「自分の愛がその人を傷つけてしまう」などといったものとは全く性質が違いました。

主人公の浩輔は、龍太に夢中になり、能う限りの愛を捧げ、様々な意味で尽くします。

けれど浩輔はある一つの思いに苦しめられ続け……やがて衝撃のラストへと続いていきます。

 

4.見終わった時、これがBL映画であることを失念していた

衝撃のラスト……といっても、ものすごく派手な出来事が起こるわけではありません。

けれど主人公の浩輔に投げかけられた一言と、その時の浩輔の表情が、全てを物語ります。

「愛は身勝手」……ポスターに書かれていたキーワードの意味と、主人公の浩輔がたどりついた場所が、ここで示されます。

これをエゴイズムだというならば、なんと美しいエゴイズムだろう。

ラストシーンの後、椅子に脱力したまま、茫然とエンドロールを目に映していました。冒頭でも述べましたが、これがBL映画であることは、すっかり頭から抜け落ちていました。

 

5.BLファンならずとも見るべき

主人公の浩輔がゲイであり、その恋人もゲイの男性であることは、この作品の重要な要素の一つではあるのですが、根本のテーマではありません。

そして、逆説的なようですが、主人公をゲイの男性に設定し、恋愛を細部に至るまでリアルに描いたその描き方が、登場人物たちが「生身の人間」であることに説得力を持たせ、「生きること」の重さ哀しさ切なさ、そして美しさを浮き彫りにしているのです。

この映画は、「LGBTQ+インクルーシヴ・ディレクターとインティマシー・コレオグラファーという、ふたつの役職がクレジットされた初めての日本映画」だそうです。

インティマシーコーディネーターについては、最近話題ですので聞かれた方も多いでしょう。

性的なシーンなどの撮影において、俳優と製作者の間に立って、事細かに打ち合わせをし、俳優の尊厳が損なわれることのないよう、俳優を守る役目の専門職です。欧米では性的シーンの撮影については、導入することが最近は当たり前になっているそう。NHKドラマ「大奥」で導入されたことでもその認知度が上がりましたね。

LGBTQ+インクルーシヴ・ディレクターについてはこちらをご覧下さい↓

宮沢氷魚にベッドシーンの“振り付け”をし、鈴木亮平にゲイの所作を指導…映画『エゴイスト』が日本映画で初めて導入した画期的な仕事とは | 集英社オンライン | 毎日が、あたらしい (shueisha.online)

話が横道にそれてしまいましたが、この作品は決して作りものではない、血の通った登場人物たちが愛とは何かについて考え、真摯に大切な人たちと向き合う、リアルな物語。

BL作品であるかどうかなど関係なく、深い感動を呼び起こす物語です。

迷っている方はぜひご覧下さい!

公式サイトはこちら↓

映画『エゴイスト』オフィシャルサイト 2023年2/10公開 (egoist-movie.com)

予告編はこちら↓

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

 

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