『遠の朝廷にオニが舞う』 作品解説&エピソード

『遠の朝廷にオニが舞う』の世界⑮竈門神社はなぜ聖地なのか?その1(by 珠下なぎ)

皆さんこんにちは、珠下なぎです。

 

年末が近づいてきましたね。今年はコロナの影響もありまして、年内に神社にお参りされる方も多いのではないでしょうか?

 

神社と言えば、大ブームの「鬼滅の刃」。

主人公の竈門炭次郎の名にちなんで、各地にある竈門神社が、鬼滅ファンの聖地としてにぎわっているそうですね(鬼滅の刃の鬼については、そのうちゆっくり語りたいと思います)。

 

実は、竈門神社という名の神社、「遠の朝廷にオニが舞う」の舞台になっている太宰府にもあります。

 

そして、竈門神社という名前こそ直接は出てきませんが、何と「遠の朝廷にオニが舞う」にも、竈門神社のある宝満山は、重要な場所として出てくるのです!

 

作品のクライマックス近くで、主人公一行は、太宰府に蔓延する疫鬼を封じるため、太宰府を中心に東西南北の各地で疫鬼除けの儀式を行います。

 

その過程で、最後に儀式を行うために向かったのが御笠山。これは現在は宝満山と呼ばれ、竈門神社が置かれている山なのです。

 

竈門神社が開かれたのは、天武2年、作品の舞台とほぼ同時期です。

なぜ主人公たちが御笠山(宝満山)を最後の儀式の場所に選んだのか?

なぜ宝満山に竈門神社が置かれたのか?

 

それには重要な共通点があります。

それは、この山が、太宰府にとって鬼門に位置しているからです。

 

竈門神社に伝わる「竈門山宝満宮伝記」などの伝記は、太宰府がこの地に置かれた時、御笠山(宝満山)で鬼門除けの儀式を行ったのが、この山における祭祀の始まりとしています。

 

鬼門除けの儀式を行った竈門神社。

「鬼滅の刃」の舞台は大正時代なので一見無関係に見えるかもしれませんが、こうしてみると竈門神社を「鬼滅の刃」の聖地とするのも、それなりの根拠あってのことかもしれません!

 

最後まで読んで下さって、ありがとうございました。

 

 

 

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