はじめに
皆さん今日は、珠下なぎです。
今日も来て下さって、ありがとうございます!
さてさて、気づいたら4回目になってしまったチェリまほ14巻通常版感想。
今度こそ! この回で終わりたいと思います。
今回は藤崎さんとつげみなカップルについて語ります。
藤崎さんの表情筋の意味するもの
さて、メインカップルについては大筋のところで感想を述べたので、今回は69話の藤崎さんについて。
フェアの準備で多忙な安達くんを見て、進んで仕事を代わってあげる藤崎さん。
心の中では支えあう黒沢さんと安達くんの尊さに萌えまくり、号泣しているのですが、それをおくびにも出さず、輸入雑貨を扱う仕事について気を付けるべきことを淡々と六角くんに講義します。
さすが藤崎さん。
藤崎さんが読者の共感を集めるところは、大きく分けて2点あるとたまなぎは思います。
ひとつはもちろん、黒沢さんと安達くんの恋を応援し、必要とあればさりげなくサポートするところ。
もうひとつは、どんなに黒沢さんと安達くんの恋に萌え転がり、心の中では激しい妄想を繰り広げていようとも、決してそれを表に出さないこと。
前者は腐女子ならだれでも憧れるシチュエーションです。身近に推しカプがいたとしたら、進んでサポートしたいと思うでしょうし、藤崎さんに自分を重ねる人も多いでしょう。
しかし、後者は、自分事となると実際に出来る人は少ないのではないでしょうか?
同性カップルにとっては、いかに推されていたとしても、自分たちをネタに身近な人間が勝手な想像を繰り広げているとしたら、不快以外のなにものでもないでしょう。
藤崎さんはそこをちゃんと分かっていて、推しカプを不快にさせないよう、自分の性癖を完璧に隠し通しています。
一見当たり前のこと、と思われるかもしれません。
しかし、「腐」の歴史の中には「負」の歴史もありまして(寒っ)、1980年代初頭、BLを愛好する女性の無神経な投書によって、現実の男性同性愛者とBLを愛好する女性との間に深刻な対立が生まれてしまった、という事件も過去には見られています。
また、現代においても、現実の同性愛者に自分たちの理想像を押し付けたり、プライバシーに配慮しない質問をしたりしてトラブルを起こす女性、というのは悲しいことに一定数存在するようです。(過去の事件についてなどは詳しくはこちら↓)
新刊のイメージ動画とあらすじを公開!&チェリまほの時代と腐女子の変遷 | 物語る心療内科医・珠下なぎのブログ (ameblo.jp)
最近同性婚訴訟などが関心を集め、その流れで同性愛をカミングアウトされる方も増えましたが、現実の男性同性愛者は生身の人間である、ということを忘れないようにしたいですね。
安達くんと黒沢さんは、私たちにとってはフィクション上の人物ですが、藤崎さんにとっては現実の同性カップル。
私たちも藤崎さんの姿勢を見習いたいものです。
まずは表情筋トレーニングから!!
つげみなカップルの魔法の行方
さてさて、今回はつげみなカップルにも大きな進展が?
柘植先生の、湊くんをモデルにした小説『ワルツ』が大ヒットし、柘植先生にはインタビューや関連記事の執筆依頼が殺到。
しかし、湊くんの想いが強すぎるあまり、うまく文章にできません。
「文章の中の俺と遊んでないで、とっとと終わらせて俺を構え」と蹴りを入れる湊くん。
その直後に「日が暮れるまでに終わったら、ご褒美やるよ」と。
この小悪魔ぶり、最高ですね。
それに「本当だな」と珍しく雄の顔を見せて湊くんをどぎまぎさせる柘植先生。
その後の「ご褒美」がうどんちゃんと湊くんのツーショットというのも柘植先生らしくて好きです。
二人とも、柘植先生のパワーの源ですものね。
しかし、しかし!
今回のつげみな編、柘植先生の「脱魔法使い」を示唆するエピソードで終わっているのです!
「脱魔法使い」したら魔法がなくなることを、安達くんの例から知っていたであろう柘植先生。
そうすれば湊くんの考えていることも、口にしなければ分からなくなる。
今まで心を読むことでコミュニケーション上有利になることもあったでしょうに、思ったよりもためらいなく脱魔法使いの道を選んだのですね。
以前も書きましたが、実写版では脱魔法使いの順番が、安達くんと柘植先生で逆になっています。
実写版では、安達くんが魔法を失うことに逡巡した結果、思わぬ悲劇も生まれました。ですから原作の柘植先生も、同じような苦悩に襲われるのではないかと予想していましたが……。
うん、でも、これはこれで柘植先生、カッコいいなとたまなぎは思いました。
魔法があろうがなかろうが、湊くんと共に生きていくことが一番大事だという覚悟が出来ているのでしょうね。
それとも、この時点で湊くんの心の声が聞こえていないことから、13巻の仲直り後、とっくに脱魔法使いしていたのでしょうか?(そこのとこくわしく知りたい)
いずれにせよ、このカップルからも目が離せませんね。
さいごに
予定よりも長く、全4回にもわたるたまなぎの戯言に付き合って下さった皆様、ありがとうございました。
次は歴史記事などを挟んでから、特装版の感想もどこかでお話したいと思います。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!