『神眠る地をオニはゆく』 史跡巡り 作品解説&エピソード

『神眠る地をオニはゆく』裏話番外~大島編

はじめに

皆さん今日は、珠下(たまもと)なぎです。

今日も来て下さって、ありがとうございます!

さて、チェリまほ記事が続きましたが、今日は久しぶりに作品に関連した歴史記事です。

『神眠る地をオニはゆく』の執筆にあたり、たまなぎは3回ほど宗像市・福津市近辺を訪れました。

今回はそのうちの1回、大島を訪れた時の日記をご紹介しようと思います(過去のameblo記事の修正)。

 

中津宮のある大島~神守る島

『神眠る地をオニはゆく』に登場する宗像氏は、古くから海の神々を奉じ、航海技術に長け、朝廷と深く結びついて隆盛を誇りました。

彼らが奉じていたのが宗像三女神。

上から田心姫(たぎりひめ)、瀧津姫(たぎつひめ)、市杵島姫(いちきしまひめ)の三柱の神々です。

この神々が祀られているのが宗像大社。

田心姫を祀るのが、沖ノ島にある奥津宮、瀧津姫を祀るのが大島にある中津宮、そして市杵島姫を祀るのが九州本土にある辺津宮です。

 

ちなみに沖ノ島には、一般人は上陸することができません。

沖ノ島は、九州本土から60km、玄界灘の真ん中に浮かぶ、周囲4kmほどの小さな島です。

しかし、4世紀後半という昔からの祭祀の跡があり、なんと8万点もの国宝が発掘されているのです。貴重な品々を神々に捧げた証です。遥かシルクロードを通じてもたらされたものもあり、沖ノ島は「海の正倉院」とも呼ばれています。

大島からも、天気がよければ沖ノ島が見えることもあると聞き、勇んで出かけました。

 

いざ、大島へ!

島なので、神湊からフェリーに乗ります。船に弱い方は酔い止め必須。結構揺れます。

 

大島が見えてきましたよ~

 

瀧津姫を祀る、中津宮

湊から歩いて数分のところに、中津宮があります。

 

参道はかなりの急勾配です。参道から海を見下ろすとこんな感じ。

 

中津宮の本殿です。写真からは分かりにくいですが、樹齢何百年とも知れぬ巨木に囲まれ、神秘的な雰囲気でした。

 

展望台への道は心臓破り

中津宮奥に回ると、御嶽山山頂への登山道を発見。山頂には展望台があり、眺めがいいと聞いていたので、登り始めます。
これが、とんでもない急こう配の続く登山道……!
40代にはなかなかきつい。歩き始めて10分そこそこで心臓がヤバいです。

何で写真がないのかって?

写真撮る余裕がなかったんです。

30分弱、急こう配の登山道を登りきると、やっと展望台に……!
島の北側の海が眼下に見下ろせます。
この向こうには沖ノ島が、あり、さらに海は朝鮮半島へと続いています。

条件がよければ写真の水平線のあたりに沖ノ島が見えるそうですが、この日は見えませんでした。
黄砂のせいで(怒)。
けれど苦労して上った甲斐があり、眺めは抜群。

 

沖ノ島遥拝所へ

島の裏側へ徒歩で下り、今回の大きな目的の一つでもある、沖ノ島遥拝所へと向かいます。

最初に述べたとおり、一般人は沖ノ島には直接お参りできないので、ここから祈りを捧げます。

 

遥拝所から見える海はこんな感じ。

 

双眼鏡で見るとぼんやり島影らしきものが???
いえ、やっぱりはっきり見えません。
神宿る島、沖ノ島は心眼でお参りすることに致しました。
海はグラデーションがありとても綺麗。
古代から人々が同じ海を眺めていたんだ、と思うと感無量です。

 

安倍宗任の墓

時間も押して来ましたので、港へ戻ります。途中にこんなものも。

 

前9年の役で敗れた安倍宗任は、遥か大島まで流され、ここで生涯を終えたそうです。
故郷の東北からこんなに離れたところまで……さぞ無念だったことでしょう。

 

アワビのダンスon海鮮丼

ちょうどお昼になったので、港近くの食堂で海鮮丼を頂きます。

最初に注文した時、漁師さんらしき食堂のおじさまが、「アワビ、焼けてますよ」とやや聞き取りにくい声でおっしゃり、ニコ。
日焼けした笑顔が素敵です♪

「はい、ありがとうございます♪」と軽く注文してしまったのですが。
「アワビ、焼けてますよ」じゃなかったんです。

「アワビ、生きてますよ」が正解だったんです。

動くんです、ムニュムニュと!刺身の上で!
ひいいいいいっっ!

 

お刺身、ものすごくおいしかったです。獲れ立てですからね。
しかし、おいしいお刺身を堪能していると、ご飯の上で、動くんです、アワビさんが!
ムニュっ! ムニュっ!

そのたびにこちらは、びくっ!びくっ!
食堂のおじさまがちょっと心配そうにこちらをご覧になってる……・気がする……・?

なんとかアワビさんには肝を外してご臨終頂き、大切に頂きました。
さすがに生きたままかぶりつけるほどワイルドにはなれなかった……
命を頂いているというのはこういうことなんですね。

食べてみると、こりこりしておいしかったです。

この日の歩数は1万4千歩あまり。
帰りのフェリーの中では爆睡でした。

 

さいごに

丸1日かけた大島取材でしたが、結局ストーリーの関係で、大島が作品の直接の舞台になることはありませんでした(笑)。

しかし、登場人物が語る話の中には出てきます(お読み下さった方は分かって……下さいましたか?)ので、直接見ておいて良かったと思います。

 

歩いて回る場合は、まあまあ体力が必要です。展望台まで登らないなら、レンタサイクルがありますので、それを利用するのも手かもしれません。

あと、生きたアワビにはくれぐれもご注意を。

 

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

 

 

 

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