『神眠る地をオニはゆく』 作品解説&エピソード

『神眠る地をオニはゆく』のレビューをご紹介!

皆さん今日は、珠下なぎです。

今日も来て下さって、ありがとうございます!

 

先月発売した、『神眠る地をオニはゆく』(『遠の朝廷にオニが舞う』の続編)、おかげさまで、たくさんの方に手に取って頂いております。

Amazon公式サイトやX(旧Twitter)にも、ご感想を頂けるようになりました。

本当にありがとうございます。

本日は頂いたレビューをまとめてご紹介します。

 

最初に頂いたご感想は、X(旧Twitter)から、ななせ(@natsunotaka)さんのご感想でした。

神眠る地をオニはゆく/珠下なぎ めーっちゃおもしろかったです! 怪異と謎解きによって浮かび上がる古代九州の人々の想い。下巻の前半で一大スペクタクルがあり興奮度MAX!しかしまだ残る謎と問題に瑠璃子姫はどう立ち向かうのか…… 一気読みでした(*゚Д゚*)

ありがとうございます! 初レビューはこちらでした。とても嬉しかったです!

面白い、の一言は、作家にとって何よりうれしいものです。

 

その後、Amazonにもレビューを頂くようになりました。

まずは、上巻に頂いたレビューからご紹介です。(順番はレビュー頂いた順です)

古代ロマンあふれる正統派少女小説!

前作『遠の朝廷にオニが舞う』では民を襲う疾病を抑えこむため、大宰府中を走りまわった瑠璃子姫と鈴丸。続編である本作では、はなればなれになりながらも共に運命に立ち向かう、ふたりの成長した姿を拝むことができます。

まず冒頭から降って湧く、瑠璃子姫の縁談話(なんですって!?)
押しも強けりゃ顔面も強いイケメン婿候補・海人との出会い(第一印象は最悪!)
瑠璃子姫に突きつけられる、鈴丸との身分の差(そんなのおかしい!とは思うけど……)
さらには鈴丸の影でちらつく、謎の美少女の存在(え、夢だよね? マボロシだよね??)

主人公カップルだけに注目しても、この盛りだくさん具合!
くわえて筑紫の神と宗像の神とのつながりや、夜ごと大宰府を襲う怪事件など、惹きつけられるミステリ・トラブルの連続に、ページをめくる手が止まりません。
(いやもう、ほんと気がついたら上巻の1/2読み終わってたっていう……)

上下巻となっている本作ですが、冒頭の勢いはクライマックスまで続きます。
Kindle版、ペーパーバックともに、あわせ買い&一気読みがおすすめです。

こちら、Amazonに頂いた初レビュー。大変楽しく、読みやすいレビューに狂喜乱舞しました。「推しも強けりゃ顔面も強いイケメン婿候補」には思わず吹きました。ありがとうございました!

 

瑠璃子ふたたび

前作「遠の朝廷にオニが舞う」で、ジュブナイルの枠を越えた歴史ロマンを見せてくれた珠下なぎ先生、待望の続編登場!
舞台は引き続き7世紀の北九州・筑紫の国。そこを治める豪族の娘・瑠璃子姫が今回も大活躍...なんですが、少し大人になった瑠璃子に、やって来ました結婚話!
もちろん瑠璃子の想いは、鈴丸くんただ一人なんですが、父・虎麿の推しは、隣国宗像の国のプリンス・海人くん!
時代は大化の改新の後の7世紀。なので親の決めた結婚の重さは凄まじく、いきなり瑠璃子は大ピンチ!
しかし、前作で、筑紫の国を襲った疫病を、鈴丸たちと共に終息させ、ひとまわり成長した瑠璃子さん。なんとか海人との関係も維持しつつ、事態をポジティブに持っていこうとしますが、そこで物語は急展開します...。
瑠璃子と海人の婚姻の背景には、大化の改新で一時的に没落した、藤原氏の再興が絡んでいると思えば、宗像の製鉄技術が、筑紫より一歩長じているとか、政治、技術、そして古代ならではの宗教や神事の描写も抜かりなく、もちろん、瑠璃子たちテイーンエイジャーの揺れ動く心理描写もたっぷりな歴史ロマン。
ここからどう展開するか、そしてどう終息させるのか、下巻が楽しみです。

分かりやすい内容紹介に加え、歴史的背景までもしっかり読み取って下さり、嬉しかったです。ありがとうございます! 読んで下さった方の歴史的知識の豊富さがうかがえるレビューでした。

 

政(まつりごと)祀り事だった時代。神・オニ・人の軛(くびき)に抗う

前作『遠の朝廷にオニが舞う』の正統続編。
その後の瑠璃子姫は、そして鈴丸は、と気掛かりだった二人の姿をまた見られて感無量でした。
……かと思えば瑠璃子姫に縁談、しかも筑紫にとって因縁ある宗像の貴公子が。
魅力的な新キャラクターが広げる物語世界、作者自らのフィールドワークにより丹念に取材された古代史、そしてより鮮明なテーマとなった恋愛模様。
「まつろわぬ」存在として敗者の歴史に押し込められた人々、そして神々の慟哭を丁寧に描きつつ、前作を上回るスケールで展開される古代史ファンタジー。
『遠の朝廷にオニが舞う』と併せての読書がおすすめです!

実は、この作品を執筆していて、前作『遠の朝廷にオニが舞う』が、有名な児童文学賞で二度最終候補になり、しかも、大変ご好評を頂いた作品とあって、「前作の続編としてふさわしいものが書けるだろうか?」というのが大きなプレッシャーになっていました。「前作を上回るスケール」と言って下さって、大変嬉しかったです。ありがとうございます!

 

次は、下巻に頂いたレビューです。

運命に抗う。あどけないひたむきさで。

『遠の朝廷にオニが舞う』の正統続編下巻。
瑠璃子姫が徐々に知る世界の広がり。
だがそれは人々ばかりではなく、神々ですら縛める「国家」という巨大なシステムとの対峙でもありました。
ファンタジーと位置付けられる当シリーズですが丁寧に古代史に取材し、「まつろわぬ」として歴史の闇に追いやられた存在を一貫して掬い上げようとしていることを感じます。
また、既に個人の力ではどうしようもない程に「国家」というシステムの制限を受ける中、幼くあどけないまでのひたむきさで困難に立ち向かう瑠璃子姫に思わず声援を送りました。
かつて敵対した力が思わぬ形で起こす奇跡にも感涙。
上下巻とも一気読みで、ぜひ前作『遠の朝廷にオニが舞う』も併せて楽しまれることをおすすめします。

ありがとうございます! 「国家と人」というのはたまなぎが追及しているテーマの一つです。たまなぎが古代を書きたがるのは、「国家」というものが成立の過程にある時代だからです。また、まつろわぬ民への思いなど、作者の訴えたテーマを正確にくみ取って下さり、感謝いたします!

 

共に生きる。

前作と同じく、一筋縄ではいかない展開を経て、大団円へ。
上巻で起こった変事の数々をどう解決するかもそうですが、事態は更なる段階へ...。
そして乗り越えた先に待つものとは?
そこは読者一人一人のものなので、どうか確かめていただきたいのですが、ハラハラドキドキのジェットコースターは、降りた瞬間の心地よさもまた格別と言っておきましょう。
全てを体感したあと、作者が丹念に織り込んだテーマが、ジワっと沁みてきます。
この作品のタイトルの中の「オニ」とは、他ならぬ鈴丸くんのこと。その彼を生涯のパートナーと心に決めたときから、ヒロイン瑠璃子の生きる道は、ルーツを超えた「共生」。
それだけではなく、さまざまな共生のかたちが描かれていくなかで、もしかしたら、共生こそが、我々の生きる唯一の意味なのか?と...。
抽象的ですが、僕はそう感じました。

 

これまた、テーマを深く掘り下げて下さったレビュー。様々なルーツを持つ人々が、筑紫の地で「共に生きる」こと。これは虎麿の跡継ぎたる瑠璃子にとって一生の課題です。そして、現代にも共通するテーマ。正確に読み取って下さって、本当に嬉しいです。ありがとうございます。

 

皆様が作品を楽しんで下さったこと、そして作品を通じて様々なことを考えて下さったことがひしひしと伝わってきました。他にも、X(Twitter)から、「素晴らしかった」「読み終わるのがもったいなかった」などとの嬉しいお声も頂きました。

作者として本当にありがたく嬉しいです。

皆様、ありがとうございました!

 

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

 

 

 

 

© 2024 たまなぎブログ by LTA出版事業部