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見どころと謎が満載の筑前国一之宮・筥崎宮⑥筥崎宮の仲哀天皇他

皆さん今日は、珠下(たまもと)なぎです。

今日も来て下さって、ありがとうございます!

 

さて、今回は筥崎宮最終回。

前回までに紹介しきれなかった、筥崎宮の見どころをご紹介しましょう。

応神天皇の父親であるはずの、仲哀天皇も、実は筥崎宮にはひっそりと祀られているのです。

 

1.筥崎宮における仲哀天皇

神功皇后・応神天皇母子を祀る香椎宮でも、明治に至るまで仲哀天皇は古宮にとどめ置かれ、妻子であるはずの神功皇后・応神天皇とは引き離されたままでした。

香椎宮と仲哀天皇についてはこちら↓

 

そして、ここ筥崎宮でも、主祭神は応神天皇・神功皇后・玉依姫。

仲哀天皇は祀られていないのか……と思ったら、こんなところにおられました。

西末社。本殿の右奥にある、小さな末社です。

本殿は参拝客でにぎわっていましたが、こちらはほとんどお参りする人もなく、ひっそりとしています。

 

 

ちなみにこちらは竜王も祀っています。

応神天皇がこの地に遷座する以前は、ここには竜王が祀られていたのではないかとする地元の研究者もおられます。

 

西の末社があるということは、当然東の末社もあります。

こちらには、おそらく応神天皇の生物学上の父であると思われる、住吉大神が。

東の末社に実父・西の末社に戸籍上の父。何とも意味深ですね。

 

 

ちなみにここには、ちょっとユニークな神様も祀られています。

池島殿。手足の病気にご利益があるとされる神様で、手足の病気に悩む人はここで初穂料を納めて草鞋をもらい、それを家の神棚に上げてお祈りするのだそうです。治ると草鞋をこの社の納めるのだとか。

ご祭神は賀具土命(かぐつちのみこと)、奥津彦命(おくつひこのみこと)、奥津姫命(おくつひめのみこと)ということになっていますが、ひょっとしたら土地に伝わる古い神様だったのかもしれません。

 

2.あじさい祭り

筥崎宮は、毎年あじさいが美しい花を咲かせることでも有名です。

たまなぎがお参りした時はちょうど、あじさい祭りが始まったばかりでした。

 

ブーケのような可愛い寄せ植え。

 

見事に花を咲かせた鉢植え。

 

花手水も色合いがきれいで素敵でした。最近流行ってますね、花手水。

  

 

もちろん地植えのあじさいも。

 

あじさい祭りはまだ始まったばかりでしたが、大変多くの人でにぎわっていました。

 

3.お汐井取り

博多には、お汐井取りという風習があります。

案内板には、こう書かれています。

「博多では箱崎浜のお潮井(真砂)をてぼ(籠)に入れ家の玄関に備え外出の時身に振りかけて災厄からのがれることを祈ります。

(中略)

この起源は非常に古く神代の時代に神々が行われた禊祓い(みそぎばらい)に基づくものです(後略)」

 

お汐井取りは、厄除けのお祭りとして名高い博多祇園山笠の一番最初の行事でもあります。この時は筥崎宮の参道の先にある海に入り、身を清めます。

筥崎宮では春秋の2回神事として行われるなど、広く行われているお祭りです。

博多祇園山笠についてはこちら↓

 

「神代の昔にあった禊祓い」というのはおそらく、伊弉諾命が黄泉の国から帰って来た後、穢れを祓うために行った禊だと思われます。

天照大御神・月読命・須佐之男命の三貴子も、住吉大神もこの時生まれました。

神功皇后も、三韓征伐の前に、福岡市の名島の海岸で海に入り、神の意志を問うています。これもお汐井取りの風習が博多に根付いた一因なのかもしれません。

神功皇后が海に入った時の様子を紹介した記事はこちら↓

 

さて、長く続きました筥崎宮の記事も、ここでいったん終わりとさせて頂きます。

次は新刊情報……かな?

 

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

 

 

 

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