皆さん今日は、珠下なぎです。
今日も来て下さって、ありがとうございます!
さて、10月に連載したハロウィンシリーズ、楽しんで頂けたでしょうか?
ハロウィンは古代ケルト人のサムハイン祭に端を発し、その後キリスト教に取りれられてイギリスで発展し、新大陸に渡って商業主義と結びつき、再び全世界に広がっていきました。
ハロウィンの名は、キリスト教に取り入れられた後、万聖節前夜=オールハロウズイブの名に由来します。
キリスト教の祭になったにも関わらず、イギリスで特に発達したのは、もちろんもともとのサムハイン祭がイギリスの先住民であった古代ケルト人のものであったからです。
ケルト人の文化は、ハロウィンとは直接関連はしませんが本質的には同一の、ある性質としてイギリス人の中に受け継がれます。
それは、「幽霊好き」です。
ケルト人は沼地に浮かぶ燐光にさまよう魂の姿を重ね、妖精や精霊の存在を信じていました。そういった性質はハロウィンを発展させる土壌にもなり、イギリス人を無類の幽霊好きにさせました。
シェイクスピアの戯曲「ハムレット」では、死んだ父王がハムレットの前に現れます。
イギリス王室にとって処刑場でもあり監獄でもあったロンドン塔は、幽霊スポットとして古くから有名でした。
さらに、幽霊について大真面目な研究を最初に始めたのもイギリスなんです。
近代科学の発展と共に心霊現象研究協会(The Society for Psychical Research、略してSPR)が1882年に設立されるに至ります。各界の著名人や知識人、科学者が名を連ね、降霊会などが盛んに行われました。
メンバーにはシャーロックホームズシリーズで有名な作家で医者のコナン・ドイルや、ノーベル医学生理学賞受賞者のシャルル・リシェなどがいました。
ちなみにこのSPRは現存しており、アメリカにも支部があります。小野不由美さんのロングセラーホラー小説『ゴーストハント』にも登場します。
ちなみに日本で降霊会の代表と言われるコックリさんは、「狐狗狸さん」という字を当てられるので日本古来のものと誤解されがちですが、イギリスで盛んに行われた降霊会の手法にルーツを持っています。
明治維新と同時に入ってきた西洋文化の一つだったんですね。
そんな訳でハロウィンの起源となったケルト人の文化は、幽霊好きの性質となって今もイギリス人の中に生きています。
イギリスでは幽霊が出る物件は高値がつく、なんて話は有名ですね。
最後まで読んでくださってありがとうございました!