皆さんこんにちは、珠下なぎです。
今日も来て下さって、ありがとうございます!
さて、今日は、御頭祭のキーワードとなった「死と再生」について、最も謎多き神様・ソソウ神との関りも含めてお話ししたいと思います。
前回の記事では、諏訪大明神を宿らせた童子=大祝(おおはふり)が三ヶ月のお籠りを終えて地上に現れる時に行われるのが御頭祭だとお話ししました。
諏訪にはもともと、龍蛇信仰がありました。
死の世界から蛇の体になって現世に戻ってきた甲賀三郎伝説など、蛇にまつわる神話が伝わっています。
もっとも、蛇は脱皮を繰り返し、また強い生命力を持つことから死と再生のシンボルとされていたのは、諏訪だけに限らず、全世界の神話に見られるのですが。
さて、ソソウ神については資料が非常に少ないのですが、諏訪大社の御室神事の祝詞の一つに見られます。
この御室神事というのは、御頭祭前の三ヶ月間のお籠りのことです。
「「道」の「口・中・尻」に「ソソウ神」が現れ給うたので喜んで仕える」
という大意の一節が、祝詞の中に伝わっているのです。
このソソウ神についてははっきりしたことは分かっていないのですが、いくつかの説があるようです。
まずは、ミシャグシ神と対になった、女性的精霊という説。
ミシャグシ神は石神信仰の面があると前々回の記事で述べましたが、ミシャグシ神とされている石には、男性器をかたどったものも多くあります。
男性的精霊であるミシャグシ神のペアであるのがソソウ神であるという解釈です。
もう一つは、祖霊である諏訪大明神が蛇の姿をして根の国(死の世界)から御室に入って童子に宿り、生命力を蓄えるという説。
この蛇の形をした諏訪大明神がソソウ神である、という考え方です。
後の方の説だと、諏訪大明神=健御名方神=ソソウ神、ということになりますね。
諏訪にはもともと龍蛇信仰があったということですから、私は後の方の説の方が正しいように思います。
ただ、健御名方神=諏訪大明神は、諏訪本来の神様を征服して入ってきた新しい神様です。
もともと龍蛇の形をした祖霊=ソソウ神が冬の間に大祝(おおはふり)に宿って生命力を蓄えるという信仰が先にあって、後に諏訪大明神と結びつけられたのではないか、と思えるのですがどうでしょう。
読者の皆さんは、どのように感じられましたか?
最後まで読んで下さって、ありがとうございました!