『大江山恋絵巻』 作品解説&エピソード

『大江山恋絵巻~人の巻~』キャラ紹介②酒呑童子

はじめに

皆さん今日は、たまなぎこと珠下(たまもと)なぎです。

今日も来て下さって、ありがとうございます。

今回はたまなぎの新作『大江山恋絵巻~人の巻~』キャラ紹介その②。

いよいよあの方、酒呑童子さまの登場です!

 

伝説の中の酒呑童子(まとめ)

伝説の中の酒呑童子については、以前にもご紹介しましたのでさらっと。

出生は色々な説がありますが、八岐大蛇や製鉄民族の血を引く者であり、幼少時に寺に預けられます。その後鬼になり、大江山を本拠地にして周囲の国や都から人をさらっていくので、朝廷の命を受けた源頼光ら武士によって退治された、ということになっています。

ちなみに大江山には酒呑童子以前から鬼が住んでいたという伝説があります。

詳しく知りたい方はこちらをご覧下さい。

 

たまなぎの作品中の酒呑童子

たまなぎ版酒呑童子のプロフィール

一方、たまなぎの作品中の酒呑童子さまはこちら。

 

え? イケメンすぎですって?

いいんです、たまなぎのイメージどおりですから……! 特に右の切なげな横顔……!

 

それはさておき。

出身……越後。茨木童子さまと同じ。

履歴……16歳まで、国上寺の稚児。鬼になった後、茨木童子と越後の山中で出会い、やがて大江山に棲みつく。その後、大江山で細々と暮らしていた鬼の末裔……製鉄民族の人々や、人の世に生きる場所を失った人々を集め、鬼が城を築く。

 

たまなぎ版酒呑童子の性格

たまなぎの作品中の酒呑童子さまは、どんな方でしょう。

酒呑童子が人食い鬼だと聞かされて育った主人公・茜は、大江山で酒呑童子に会った途端、恐怖のあまりパニックを起こしてしまいます。その時の酒呑童子さまは……

「そんなに怖がってくれるなよ。な、大丈夫だから」
 人食い鬼とは思えないほど優しい口調で言いながら、酒呑童子は床に崩れ落ちたわたしを太い腕で抱き起こした。その腕は思いがけず、ひどく暖かかった。
酒呑童子は童をなだめるように、わたしの背を柔らかくたたく。その手の優しさは、ふと、遠い昔に亡くなった、生みの母の手を思い出させた。

(珠下なぎ『大江山恋絵巻~人の巻~』より)

 

その後、茜は徐々に大江山の暮らしにもなじんでいきます。

大江山には他にも、沢山の人々が暮らしていました。

せっかくですから大江山の皆さんに、酒呑童子さまの印象を聞いてみましょうか。茜も酒呑童子さまに、徐々に好意を持ち始めます。

 (茜)「まるで……日輪みたいな方」

 (茨木童子)「酒呑童子さまは、人が好すぎるのだ」

(浅茅)「毎日お会いしていれば、鬼だなんてこと、忘れちゃうくらい」

(紅葉)「酒呑童子さまは確かに魅力的な殿方ですもの」

(住民H)  「酒呑童子さまはお優しい。困った方を見捨てることは決してなさいませぬ」

 

このように酒呑童子さまは大らかで気さくで、明るい性格。

優しく人の好い一面もあります。そこは茨木童子さまから見ると、心配になるよう。

ちなみにお酒が大好きです。

たまなぎ版の酒呑童子は7割くらいたまなぎの妄想と願望でできていますが、実際の酒呑童子さまも結構こんなふうだったんじゃないかと思っています。

地域の住民に慕われていたという話も残っていますし(大江山の麓の地域では酒呑童子の死を悼んでその命日に鎌を使わない『鎌止め』という風習がある)、頼光たちを受け入れたのだって、彼らが「道に迷って困っている」と言ったからですし(それが仇となるのですが……)。

伝説とたまなぎの妄想と想像と願望で出来た酒呑童子のキャラ、ぜひ作品中でお確かめください!

 

まとめ

・『大江山恋絵巻~人の巻~』の酒呑童子のキャラは、7割たまなぎの妄想で出来ているが、伝承に現れた酒呑童子のキャラも踏まえている。

・たまなぎ版酒呑童子は大らかで明るく、優しい性格。少し人の好過ぎる面もある。

 

最後までお読み下さって、ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

 

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