皆さん今日は、珠下なぎです。
今日も来て下さって、ありがとうございます!
さて、少し前の話になりますが、5月の連休を利用して、熊本県山鹿市のチブサン古墳へ行ってまいりました!
ここは装飾古墳としてもとても有名で、しばしばメディアなどでも取り上げられるので、一度行ってみたかったんです!
目次
山鹿市立博物館へ~古代の森・装飾古墳のレリーフ
チブサン古墳は、山鹿市立博物館のすぐ近くにあります。
HPで検索すると、土日は10時と14時に10人まで、石室の見学ができると書いてありました。
ですので、13時過ぎに着くように、時間を調整して出発。
森の中にある、こぢんまりとした博物館でした。
石室の見学を申し込むと、すでに9人の予約が入っているということでしたが、快く受け入れて頂きました。感謝です。
でも、今から行かれる方は予約をお勧めします。
時間があったので、博物館を見学したり、周囲を散策したりして時間をつぶしました。
博物館には、貴重な巴形土器や石包丁型鉄器などの珍しい資料が沢山。(撮影不可)
周囲にはチブサン古墳だけでなく、オブサン古墳、弁慶ヶ穴古墳など、複数の装飾古墳が点在しています。
古代の森には、古墳群の外壁の装飾のレプリカが展示されており、緑の中を歩きながら見学できます。
新緑の季節で、とても気持ちのいいお散歩ができました。
こちらは、城横穴群の20号と21号の外壁に浮き彫りにされている人物と盾・盾と靫(ゆき)。
一番左のややぼんやりした輪郭が立っている人物、その右に盾。右上の比較的はっきりしたモチーフのうち、左が盾で、右が靫でしょうか。靫は矢を入れる道具です。
こちらは長岩横穴群の108号の外壁上部に浮き彫りされているもの。左から、弓・靫・人物・ゴンドラ型の船。
ゴンドラ型の船は、瑠璃子姫の故郷・福岡県筑紫野市の五郎丸古墳にもありましたね。
日本では古来、海のかなたを常世の国=あの世とみなす考えがありました。
いざ、チブサン古墳へ!
チブサン古墳への道
さて、そろそろ時間になったので、チブサン古墳へ向かいます。
見学者はざっと20人ほど。
面白いのが、時間になったら車を博物館の前に縦列に並べるのです。一番先頭が博物館の方の車。
5台の車を連ねて、とろとろと走りながら古墳へ向かいます。
チブサン古墳へは歩いても15分ほどですので、車がなくても大丈夫です。
せまーい道も通るので、運転に自信のない方はむしろ歩いたほうがいいかも? たまなぎもあちこちで冷や汗をかきました。
チブサン古墳概要
チブサン古墳は、装飾古墳のひとつ。
装飾古墳とは、石棺や外壁にレリーフや線刻・彩色などの飾りを施したものの総称です。
墳丘を持たない横穴墓も、装飾があれば含まれます。
全国に約600基があり、その半数以上が九州北部に集中しています。
このチブサン古墳は、立派な墳丘を持つ前方後円墳です。
チブサン古墳の由来ですが、これは「乳房さん」に由来するそうです(!?)
これはチブサン古墳石室のレプリカですが、真ん中に目玉のようなものが見えるでしょう。
これが乳房の形に似ていることから、「乳房さん」と言われ、「チブサン」になったそうです。
江戸時代には、これを拝むと乳の出がよくなるという信仰が本当にあり、女性の参拝が絶えなかったとか。
しかし、実際には魔除けである「蛇の目(じゃの)」ではないか、と学芸員の方はおっしゃっていました。
右手の壁に見える、多数の白い丸は鏡を表していると考えられているそうです。
こんなところに石人さん!
そして、こんなところで意外な方に会いました。それはこの方。
なんとなんと、石人さんではありませんか!
これは、筑紫の君磐井の文化圏であることを示す有力な証拠。筑紫の君磐井の墓・岩戸山古墳の石人さんは有名ですね。
(石人石馬文化についてはこちら↓)
よく考えてみれば、磐井の本拠地である八女市からは、車で40分ほど。
磐井の勢力下にあるのもむべなるかなといったところでしょうか。
しかしこの石人さん、レプリカなんですよ。なんと本物は東京国立博物館だとか。えー、九博じゃないの……。
いざ、石室へ
順番に1グループずつ、石室へ案内されます。
これが、狭かった!そしてかなりの急勾配!
しかも、中は濡れており、滑りやすいです。石室の入り口からのぞきこむ形なのですが、もぐりこむような形で見学するので、ご高齢の方などは注意が必要です。
しかし、あの巨大な墳丘の中に入っていく興奮と、最深部で本物の壁画を眺める興奮はひとしおでした。(撮影禁止)
かなり滑る&服が汚れるので、行く方は動きやすい服装でお出かけ下さい。
ヒールのある靴やスカートは厳禁です。
それから、できれば予約を忘れずに。
見学の後は、平山温泉へ
見学の後は、平山温泉に泊まってゆっくりします。
泊まった旅館の入り口に、こんなものを発見して、一瞬びびったたまなぎ。
盛り塩=お祓いという図式しか思い浮かばなかったのですが、のちにX(旧Twitter)で教えていただいたところによると、これは客寄せの意味もあるそうです。
ルーツは古代中国とするものや、日本の平安時代とするものなど諸説あるそうですが、車を引く動物が塩をなめようと止まるので、客を呼び寄せるという意味があるそうです。
ただの縁起物でした。
泊まったのは、平山温泉の「善屋」さん。
美肌の湯として有名で、ご飯もとっても豪華でおいしかったです!
写真は伊勢海老と刺身の盛り合わせ。ほかにも馬刺しやステーキなど盛りだくさん。
たまなぎは海老や蟹の脳味噌が好物です。伊勢海老の頭をほじろうとしたら、中に詰め物が(涙)。
一番おいしいところは持っていかれた……と思っていたら?
次の日の朝に出てきたのは、なんと伊勢海老のだご汁。
だご汁は、みそ汁の中に小麦粉を練って作った平べったい麺=だごを入れたもので、熊本の名物です。
伊勢海老のだご汁とは、なんと贅沢な。
お湯もとても気持ちよく、大満足でした。
そして、ロビーにはこんなものが。
加藤清正の虎退治伝説。加藤清正は豊臣秀吉の子飼いの武将で、のちに肥後藩主となります。
熊本では、清正公(せいしょこ)さんと言われて親しまれています。
加藤清正は、ここ平山温泉で、汗疱(あせも)を治したという伝説があるそうです。だから美肌の湯なんですね。
ちなみに、日本に虎はいないのに、どうして虎退治なんだろう、とずっと疑問に思っていて調べたのですが、これは朝鮮出兵の時の伝説だそうです。なるほど納得。
おわりに
旅レポートか古墳紹介か分からなくなってしまいましたが、良いゴールデンウイークを過ごしました。
本当は江田船山古墳や熊本装飾古墳博物館にも行きたかったのですが、時間の関係で断念。
古代の山城、鞠智城も気になる。
いつかリベンジしたいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!