医療・心のケア

災害後の心のケアのあり方について要点まとめ

はじめに

皆さん今日は、珠下なぎです。

今日も来て下さって、ありがとうございます!

今月4回にわたって連載した「災害後の心のケアのあり方について」には多くの反響を頂きありがとうございました。

令和6年元日の地震は、当初予想されたよりも被害が大きく、多くの方が体だけではなく心にも傷を負われたことと思います。被災者の方、支援者の方に、当ブログの記事が少しでも役に立てば幸いです。

記事が長くなってしまったので、今回は要点をまとめた記事を作りました。この記事をお読みになって、もっと詳しく知りたい方は、末尾にリンクを載せていますので、どうぞ各記事をご参照ください。

 

災害は様々な心の病を起こします

大きな災害後の心のケアといえば、PTSDが有名ですが、大きな災害後に起こる心の病気はPTSDだけではありません。

うつ、アルコール依存症、パニック障害などの心の病気が発症することもあれば、もともとあった心の病気が悪化することもあります。

 

災害による死別は通常よりも立ち直るのに時間がかかります

東日本大震災や阪神大震災、また、今回の地震のように、予想できない死、寿命に比して早すぎる死は、周りの人たちに大きな悲しみを与えます。その悲しみから立ち直るのに、通常よりずっと時間がかかることが多いです。他人から見れば「いつまでも終わったことをくよくよと……」と見えるような事例でも、当事者の方にとってはまだ、立ち直るのに必要な悲しみの過程にいることが多くあります。

 

立ち直るのに大切なのは、「必要な悲しみ」「休養」「周囲とのつながり」です

さまざまな心の不調に苦しんでいらっしゃる方が心がけるべきことは、

①悲しみ・苦しみを否定せずに認めること

②十分休養をとること

③心の回復には個人差があることを理解すること

④抱え込まずに周囲や専門家を頼ること

 

です。

悲しみから立ち直るペースは本当に人さまざまです。逆説的なようですが、「十分に悲しむ」ことができて初めて、その人は前に進むことができるのです。

 

周囲の人はマイナス感情を否定せず、つながりを持ち続けましょう

支援者が心がけることは、

①その人なりのペースでの回復を見守る

②マイナス感情を否定せず、気持ちを吐き出してもいい場所を作る

③つながりを持ち続ける

 

 

災害後、復興の中でこれらの原則を守ることは意外に難しいと知っておきましょう

しかし、復興に向けて皆が頑張る段階になると、これらの原則を保つことは意外に難しくなります。

「愚痴を言わず、頑張る」ことを美徳とする日本社会の中で、「悲しみなどのマイナス感情を口にする」ことはタブーとされがちですし、災害から時間が経てば経つほど、立ち直るスピードの個人差が目立つようになります。

世の中に、「頑張ろう」「復興」などの高揚したワードがあふれるようになると、回復のペースが人よりも遅れた人にとっては、「いつまでも悲しんでいてはいけない」という圧力になり、心の回復を早めるどころか遅らせる心配があります。

 

災害後の特性、ハネムーン期と幻滅期に注意 

災害直後は被災者の間に、一見周囲の環境に適応したように見え、回復に向かっているかのように見える「ハネムーン期」と言われる時期がやって来ることが知られます。その後、社会の関心が薄れた頃に、その反動に無力感にさいなまれる「幻滅期」がやって来ることが知られています。一見立ち直って頑張って来たように思えた人が災害後数か月たって無気力になっているようなことがあったら、専門家の力を借りて下さい。

 

最後に

最後に、もっと詳しい情報を知りたい方のために、各記事へのリンクを貼っておきます。どうぞ必要な方に届きますように。

 

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

 

 

 

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