皆さん今日は、珠下なぎです。
今日も来て下さって、ありがとうございます!
さてさて、先日は人気急上昇中の、サラリーマン同士の恋愛を描いたドラマ『オールドファッションカップケーキ』が関東圏内で地上波放送が決まったとのこと。
私の居住地では見られませんが、スマホの無料アプリ「Tver」を使えば見られるとのこと。当事者の方にも、チェリまほファンの間でも大変面白いと評価の高いドラマです。楽しみですね!
2018年の『おっさんずラブ』でブレイクし、続々と新しい作品が作られるようになった、同性同士の恋愛を描いたドラマ群ですが、最近は認知度も増し、『きのう何食べた?』や『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい(通称・チェリまほ)』などの優れた作品が数多く生まれてきています。
こういった作品群の力もあってか、一般人のLGBTQへの認知も徐々に高まって来ています。
本日はそんな中での、企業とLGBT問題への取り組みについてお話したいと思います。
①続々とLGBTQ問題に取り組む一流企業たち
2022年7月14日、こんなニュースが配信されました。
任天堂、同性パートナーも婚姻と同じ扱いに 「アウティング」も禁止(ITmedia ビジネスオンライン) - Yahoo!ニュース
世界中にシェアを持つ、ゲーム会社の任天堂が、同性パートナーも社内においては婚姻と同様に扱うことを発表したのです。
同社によると、導入したのは2021年3月。婚姻関係に相当する同性パートナーがいる社員について、社内制度において婚姻と等しく扱う。同時に、事実婚関係にある異性カップルについても、法律上の婚姻と同等に扱うようにした。 今回の制度導入に伴い、社内のハラスメントに関する規程を改訂。性的指向・性自認に関する差別的な発言や、他人の性的指向を本人の了承なく第三者に公表する「アウティング」行為を明確に禁止した。
同記事からの引用ですが、LGBTQに対する企業の取り組みとしては、次のようなものがあります。
企業では通信大手のKDDIが13年、トランスジェンダーの社員が本人の希望する性で働けるよう、ワーキングネームの使用などを実施。17年4月からは同性パートナーも配偶者として認め、配偶者に適用される全ての社内制度 (祝い金、休暇、各種手当) を同性パートナーに対しても適用できるようにした。
家電大手のパナソニックも16年に社内ルールを変更し、同性カップルを結婚に相当する関係と認め、同性パートナーを持つ社員を福利厚生の対象としている。
その他、スターバックスコーヒージャパン株式会社では、同性パートナーを社内において婚姻と同様に扱う規定が、2017年に導入されています。
この、2022年7月の任天堂の新しい制度は、一部に根強い偏見はあるものの、SNSなどではおおむね好意的に受け入れられているようです。
こうしてみると、「やはり経済をけん引する一流企業は人権意識が高いな……」と思うのですが、実はそんな任天堂も、LGBTQに昔から寛容だった、というわけではなかったようなのです。
②任天堂と同性婚をめぐる大騒動
2014年、任天堂のとあるゲームで、同性婚をめぐって大騒動が勃発したことを知っている方はどのくらいおられるでしょうか?(実は私は知りませんでした)
これはこのようないきさつでした。
問題になったゲームは、ニンテンドー3DS用ゲーム「トモダチコレクション 新生活」。
これは自分に似せたキャラクター(Mii)の生活をサポートし、その生活を眺めて楽しむというゲームです。プレイヤーはキャラクターのサポートはできますが、直接の操作はできません。
Miiたちは互いに交流したり、互いに結婚して子どもを産むこともあります。
しかし、このゲームでは同性同士が結婚することは想定されておらず、結婚は男女間に限られていました。
けれど、「男性のように見える女性Miiと男性Mii」のカップルの画像が初期に海外に拡散されます。
その後、旧バージョンからのデータを引き継いだ際にバグが生じ、Miiの外見が本来と異なって表示されるというバグが生じ、そのバグのために同性カップルが生まれているような表示になってしまうことが起こりました。
このバグを修正したところ、「以前は、同性同士のMiiが結婚できたのに、任天堂は、それがバグだったとして取り除いてしまった」という誤解が海外のユーザーに拡散してしまい、大きな反発を呼びました。
この噂が間違いであったことが判明した後も、「ゲーム内で同性同士でも結婚できるようにしてほしい」というリクエストは根強くありましたが、任天堂は仕様の変更はできないと発表。その後もリクエストが続いたため、任天堂米法人は後日、フェイスブックで「続編では同性婚を可能にする」との声明を発表します。
けれど確認したところ、今のところは続編は発売されていないようです。
また、この際に任天堂が出した声明について、国内外の評価は別れます。
任天堂は仕様の変更ができないことを、「どのような形での社会的主張も行うことは意図していません」と説明。つまり、これは「差別の意図はない」という主張だと思われます。けれど、AP通信は、「任天堂は平等を否定した」と報道。
海外では、「差別意識がない」ことを示すには、マイノリティへの配慮を積極的に打ち出す考えが主流となりつつあります。「何もしない」というのは、消極的に差別を容認していると取られかねない。国内外での差はあるものの、2014年の時点では、まだ任天堂のLGBTQへの認識も、さほど積極的とはいえなかったようなのです。
詳しくはこちらをご覧下さい↓
“任天堂、同性婚機能を削除!?” 『トモダチコレクション』米国版めぐり物議 言葉の壁が生んだ誤解広がる - NewSphere | NewSphere
任天堂「トモダチコレクション」同性婚問題はなぜ大騒動になったのか - エキサイトニュース (excite.co.jp)
そして、『トモダチコレクション』問題が沈静化した後も、任天堂のとある大ヒットゲームを舞台に、LGBTQ問題が再燃します。長くなりますのでこちらは次回に譲りたいと思います。
最後まで読んで下さって、ありがとうございました!