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任天堂におけるLGBTQ対応の歴史②「スマブラ」トランスプライドの旗問題

皆さんこんにちは、珠下なぎです。

今日も来て下さって、ありがとうございます!

 

本日は前回の続きです。

世界中にシェアを持つ、ゲーム会社任天堂。

2022年7月、同性パートナーをもつ社員に、婚姻と同様の扱いをすることを発表した進歩的な企業ですが、ここに至るまでは数々の試練に遭っていました。

一つは前回の記事で取り上げた、「トモダチコレクション」同性婚問題。↓

けれどその後の2019年、また新たな問題が勃発します。

今回はこの事件を中心にお送りします。

 

①トランス・プライドの旗が「政治的」との理由でステージから消される

様々なゲームのキャラが登場し、沢山のステージで自由に戦えるとのことで大人気となった「スマッシュブラザース」。星のカービィやマリオ、FFのキャラなど、おなじみのキャラが大活躍します。

このゲームには、ステージの自作機能があり、自分でステージを作り、その中で遊ぶことができます。

事件はその自作ステージで起こりました。

2019年、あるTwitterユーザーが、Nintendo Switchのゲーム『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』のステージ作り機能で作ったステージを、トランス・プライドの旗を理由に消されたと報告したのです。

トランス・プライドの旗というのは、トランスジェンダーのプライド、多様性、トランスジェンダーの人権のシンボルとなっているレインボー・フラッグ の一つ。

6色のレインボーフラッグが有名ですが、他にも色々なバージョンがあり、トランスジェンダー・プライド・フラッグというのは、トランスジェンダーコミュニティを表しており、2本の水色、2本のピンク、そして中央の1本の白という5本の水平ストライプで構成されている旗だそうです。

トランスジェンダー・フラッグ Wikipediaより

 

このフラッグを自作ステージに置いたところ、ステージが消されてしまい、カスタマーサポートセンターに問い合わせたところ、「政治的意見なので規約違反に当たる」と回答が返ってきたとのこと。

ところが、ニンテンドー・アメリカの規約には政治的意見の禁止などとは書かれておらず、また、トランス・プライドの旗が消される一方で、ナチスのシンボルである鉤十字の旗は放置されているという指摘もあるそうです。

この問題は大手マスコミでは報道されず、経過をまとめたのは、Twitterをメインにまとめたこちらのブログのみ。

なお、問題のツイートは削除されたのか現在は見られなくなっています。

任天堂、トランスの旗は「政治的」だとしてゲームのステージ消す - 石壁に百合の花咲く (ishiyuri.com)

このブログはあちこちで引用され、任天堂の人権意識の低さを嘆く感想がある一方、5chなどでは任天堂の判断を「英断」と持ち上げるコメントも見られています。

 

②任天堂の人権意識の進歩

「トモダチコレクション」の同性婚問題、「スマブラ」のトランス・プライドの旗問題からも見られるように、実は最近まで、任天堂はそこまでLGBTQに対して理解が進んでいるとは言えませんでした。

どのような過程で任天堂がLGBTQへの取り組みに積極的になったのかは分かりません。

ただ、世界中にシェアを持つ任天堂は、「トモダチコレクション」問題や「スマブラ」問題のような問題に遭遇したことが他にもあったのかもしれません。

そこから改善の必要性を感じたのだとしたら、トラブルから学び、会社をよりよい方向に変えていく力を持った、さすが一流企業といえるでしょう。

また、現代グローバルに活躍する企業は、LGBTQ対応をすることが当たり前になっています。これは企業イメージのアップだけでなく、実際に優秀な人材がLGBTQ施策がされていないことによって離職することを防ぐという、企業にとってもメリットがあると考えられています。

その流れに乗っただけかもしれません。

けれどひとつ言えるのは、ほんの10年もたたないうちに、任天堂はLGBTQ問題への向き合い方を大きく変えました。

企業は、人は、このように変わることが出来るということ。

それは一般の人にも言えることです。

実際、世論調査を見ても、同性婚への肯定的意見は増えてきています。

いつか、同性間の結婚も、当たり前になる時代も遠くないかもしれません。

 

最後まで読んで下さって、ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

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