はじめに
皆さん今日は、珠下なぎです。
今日も来て下さって、ありがとうございます!
7月発売のたまなぎの新作『大江山恋絵巻~人の巻~』お読み下さった方、感想を寄せて下さった皆様、本当にありがとうございます。
ご好評いただいており、大変嬉しく、また励まされてもおります。
そろそろ発売から2か月経ちますので、作品のキャラ紹介をしていきたいと思います。
酒呑童子・茨木童子については以前の記事でもともとの伝説をご紹介していますが、これからはたまなぎデフォルトバージョンのお二人をお届けしたいと思います。
第1回は主人公・茜です。
試し読みページ以外の内容に関するネタバレはありませんので、安心してお読み下さい。
茜のモデル・御伽草子版『酒呑童子』の池田中納言の姫
主人公の茜は、御伽草子版『酒呑童子』の池田中納言の姫がモデルです。
御伽草子版では、物語の発端となる人物。
池田中納言の姫は今年13歳で、大変な美人との評判。
一人娘で大切に大切に育てられたので、風をも嫌がるようなお嬢様。この姫が突然姿を消してしまいます。
慌てた池田中納言は、評判の高い博士(島津本では安倍晴明)に大金を積んで、娘の行方を占わせると、大江山の鬼の仕業だと言います。
しかも、それは、池田中納言が観世音菩薩に願をかけて願いをかなえてもらったのに菩薩との約束を果たしていない報いだと。観世音菩薩との約束を果たし、祈るように勧めます。
ところが池田中納言はあろうことか、「鬼神が娘を連れ去った!」と帝にチクります。
おいおい、観世音菩薩との約束はどうなった。
困った帝が評定を開き、鬼討伐が決まり、源頼光ら手練れの武士が大江山に派遣され、鬼討伐を果たします。池田中納言の姫も無事で、頼光らに救出されて都に戻ったことになっています。
このいきさつについては詳しくはこちら↓
たまなぎ版・池田中納言の姫=茜
生い立ち
たまなぎ版池田中納言の姫=茜は、御伽草子版と同じ13歳。表紙のこの娘です。
茜はもともと、池田中納言の正妻の子ではなく、別の女性との間に生まれた子です。
母と二人で山寺に身を寄せていましたが、幼い頃に母が病気で亡くなったため、池田中納言夫妻に引き取られます。
池田中納言夫妻には子がなかったので、茜は大事に育てられます。
池田中納言は家柄は大したことはなかったのですが、財力をてこに中納言までのし上がった人物。
美人になりそうな茜を、何とか入内させようと、財に任せて教育するのですが……
性格
茜はもともと引っ込み思案で、自己主張が苦手な性格でした。
「入内目指して頑張りなさいよ」と芸事や学問を押し付けられても、それがいずれ身分の高く、才ある姫たちと争うためのものになるかと思うと気が進まず、どれにも才を発揮できません。
それどころか、プレッシャーのせいで吃音になってしまい、人とコミュニケーションをとるのも一苦労。
父とその妻である継母は、できないからと言って茜を責めたりいじめたりすることはなく、優しく接します。
しかし、入内という目標を曲げることは決してないのです。
もともとの身分が大したことがない上に、これといった才もなく、人とのコミュニケーションにも支障をきたすようでは、入内したとしても苦労するのは目に見えているのですが、親の欲目か、父も継母も、「これだけ美人なら大丈夫」と楽観視。
慎重に政情を見極めて機会をとらえ、大納言や大臣たちを買収(←おい)して、その目標を果たそうとするのです。
両親のそんな姿に、茜はますます孤独を深めていき……。
ところが、とうとう入内が実現しようというその日。
突然の嵐と共に、茜の前に美しい鬼が降り立ちます。
「酒呑童子さまの命で、そなたを迎えに来た」
そんなところから、物語は始まります。
さいごに
大江山にさらわれた主人公・茜。
茜は物語の中で様々な人々と出会い、成長していきます。
気になった方は、ぜひこちらをご覧下さい!
最後までお読み下さって、ありがとうございました!