皆さん今日は、珠下なぎです。
今日も来て下さって、ありがとうございます!
さて、前回はチェリまほ11巻、ネタバレなし感想でしたが、発売から1週間が経って、ほとんどのチェリ家の皆さまは11巻読まれたと思いますので、本日はネタバレありのがっつり感想を書かせて頂こうと思います。
1.コミカルとシリアスが交じり合ったダブルデート
①柘植先生湊くんの未来と魔法
今回の見どころの一つは、黒沢さん安達くん・柘植先生湊くんカップルのダブルデート。
ダブルデートって、友人同士の二人は楽しいですが、あまり面識のない側は気を遣って大変だったりするもの。
それを自然に提唱できてしまう、黒沢さんのコミュ力はさすがです。
しかし、すっかり関係の安定した黒沢さん安達くんカップルと違い、柘植先生湊くんカップルにはまだまだはらはらさせられます。
湊くんは、大学時代から続く安達くん柘植先生の仲の良さを見せつけられ、柘植さんは湊くんをモデルにした小説「ワルツ」の続きはもう書かないと公言。さらになかなか進展しない自分たちの関係にやきもきしていた湊くんは、すっかり不安になってしまいます。
安達くん黒沢さんの上手なフォローで、二人は互いの思いを伝え合い、その場は事なきを得ます。けれど、安達くんは「このままで大丈夫なのかな……」とひどく不安そう。
以前も少し書きましたが、魔法喪失をめぐっては、実写版と原作版では、黒沢さん安達くんカップルと、柘植先生湊くんカップルの立場は完全に逆転しています。
実写版では、先に魔法を卒業した柘植さんが、「魔法に頼りすぎるな」と安達くんに忠告します。けれど、様々な悪条件が重なり、黒沢さんの心の声が聞こえなくなることに不安を覚えた安達くんは、混乱したまま黒沢さんに魔法の力を告白。二人はいったん別れてしまうという悲劇を迎えます。
原作は、柘植先生と湊くんカップルが現在、似た状況に陥っています。柘植先生は、現在魔法使いであり、恋人との関係が進めば魔法がなくなることを、安達くんの例から知っています。
さらに柘植先生と湊くんの間は、今回のダブルデート編で分かったように、まだまだ言葉が足りず、ふとしたことで大きな誤解を生んだりすれ違ってしまったりする危険を多分にはらんでいます。
安達くんが親友カップルの未来に不安を覚えるのも、無理からぬことでしょう。
柘植先生は魔法を失うことについて、どういった選択をするのでしょうか。
また、実写版よりポジティブな原作黒沢さんは、魔法を告白された後、「魔法のおかげで安達がオレの気持ちに気付いてくれたんだ」と魔法の力をすんなり受け入れますが、まだ若い湊くんは、抵抗なく魔法を受け入れられるでしょうか。
心の声を勝手に聞かれるなんて、たいていの人にとっては恥ずかしいし腹が立つことでしょうからね。
柘植さん湊くんカップルが、今後魔法をめぐってどんな選択をしていくか。
ドキドキしながら見守りたいと思います。
②ちりばめられたコミカルなネタ
ダブルデート編は、こういったシリアスさだけでなく、コミカルさも目立ち、シリアスさとのバランスが取れています。
柘植先生が黒沢さんの心の声を聞いてしまうネタは、8巻特装版にもありましたが、今回はさらにパワーアップ。
黒沢さんの新曲「ダブルデート」を聞いて文字どおり「固まって」「目が点になる」柘植先生の表情は秀逸でした(笑)。
③黒沢さんの手作り弁当
ダブルデートのために、黒沢さんは早起きしてお弁当を用意するのですが、おいしそうでしたね。
私も真似して炊き込みご飯と唐揚げ、作ってみました。
炊き込みご飯は普通は具材を細かく切る手間が大変なのですが、このレシピは冷凍枝豆と鮭、茸を使うので手間がかかりません。鮭は炊き上がったら勝手にほぐれてくれますので(笑)。
唐揚げもさくさくで、お弁当の定番おかずになりました。
2.黒沢さん安達くんの新婚生活
①黒沢さんが薔薇を背負う時……
安達くんと幸せな新婚活を満喫する黒沢さん。
夢が叶い、空でも飛べてしまいそうな勢いです。
「おかえり清! ご飯にする? お風呂にする? それとも俺?」
黒沢さん、どうしてそこで薔薇しょってるんですか(笑)。
前々から思っていましたが、黒沢さんが薔薇しょってる時って、安達くんがらみで自分の外見を最大限利用(場合によっては悪用)しようとしている時ですよね。
女性の新人さんが安達くんに好意を持ちそうになると、大人げなく自分の外見を利用して、全力でフラグつぶし。
この時の黒沢さんも、薔薇しょってましたね(笑)。
過去の例でいくと、初対面の柘植先生にマウント取る場面、安達くんの実家に挨拶に行く場面とかですね。
こういう強気の黒沢さんは、原作黒沢さんらしさがmaxで大好きです。
一方、安達くんはご飯の準備をして黒沢さんを待つなど、さらに料理の腕を上げたよう。
柘植先生に暴露されていましたが、大学時代は卵も割れなかったんですね(笑)。
野菜はジュースで済ませたり、しょっちゅうカップラーメンだったり。黒沢さんと付き合っていなかったら、数年のうちにメタボになってしまっていたかもしれません。
②ハネムーン編
ハネムーン編については沢山の方が書かれていますので、夜については詳しくは書きません(笑)。
私がとても印象に残ったのは、次の日の朝、部屋付きの露天風呂につかりながら海岸を見る場面。
海岸では、老夫婦が元気なワンちゃんをお散歩させています。
きっと二人は、老夫婦に自分たちの未来を重ねたのではないでしょうか。このふたりのことだから、「しわくちゃになるまでずっと手をにぎって(by映画主題歌「心音」)」いられるでしょうね。
ちなみに、ワンちゃんの鳴き声「わっふ わっふ」が可愛かったです。Twitterで公開されていた、大学時代の安達くん柘植先生が「ドロドロラーメン」をすする「ずぞぞ」もですが、この作者様は擬態語の使い方が独特で素敵です。
③次巻その他の予告
さて次巻では、プロジェクトリーダーに抜擢された黒沢さんは疲労困憊。
「『ふたり』でいるためにできることってなんだろう」とキャッチコピーが入ります。
同性カップルであろうが異性カップルであろうと、人生にはそれぞれの段階で様々なことがふりかかります。
30代であれば仕事の責任が重くなったり、40代であれば自分や配偶者に健康不安が出て来たり、50代となれば親を看取らねばならなかったり……。
「チェリまほ」が、「安達くん黒沢さんが生きる姿」をずっと見せてくれる長いシリーズになりそうな予感に、ちょっと震えました。
さらにスペシャルサンクスのページでは、やや肌の色の濃い二人が。
海外ハネムーンが今後実現するフラグと思っていたら、これ、タイでのドラマ化のにおわせだったんですね。やられました。
長い感想になりましたが、最後まで読んで下さって、ありがとうございました!