サブカル チェリまほ 物語

「チェリまほ」論①『チェリまほTHE MOVIE』を観た感想

皆さん今日は、珠下なぎです。

今日も来て下さって、ありがとうございます!!

 

さて、先日LTA出版事業部の月那さんからお知らせがありましたとおり、これからは歴史や作品情報に限らず、個人ブログに書いていたその時々の関心事や趣味(笑)についてもこちらのブログに自由に書いてよい、と月那さんからご許可を頂きました!

 

ので、これからは最近思っていることやハマっていることについて、自由に書いていきたいと思います♪

 

個人ブログ(「物語る心療内科医・珠下なぎのブログ」)の読者の方やTwitterをフォローして下さっている方はご存じの方も多いと思いますが、最近(といってもここ1年半くらい←長い)ハマり続けている漫画作品があります。

 

それはこれ↓

 

30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』、通称「チェリまほ」。

 

一見ぎょっとするようなタイトルの上にBLもの。

そもそも「30歳まで云々」はネット発の都市伝説らしいです。

この作品、大人気作品とあって、何となく知ってはいたのですが、ちょっと下品なネタを連想させるタイトルだったのと、絵柄があまり好みでなかったので、ずっと敬遠していました。

ところが2020年にドラマ化されて話題を呼んでいるのを知って、何となくドラマを見てみたら、見事にハマってしまったのです。

 

都市伝説のイメージを180度覆す、純粋で美しいストーリー。

 

派手な出来事と言えば、最初に30歳まで交際未経験だった主人公・安達清が、「触れると人の心が読める」魔法が使えるようになった、というそれだけなのですが、人の心の動き、しかもその美しい部分や繊細な部分をこれでもかと丁寧に描くことで、一見平坦な日常をとても魅力的なストーリーに作り上げている作者の力量は、半端ではないと思います。

 

冴えないサラリーマンの安達が魔法の力のおかげで知ったのは、営業部のエースで超イケメン、「同期であることと性別以外は共通点ゼロの男」黒沢優一が、自分に恋をしているというとんでもない事実。

 

当然安達は驚き戸惑うのですが、黒沢の真剣な思いに向き合ううちに様々な感情が生まれていきます。

 

このドラマは、性別や年齢・容姿によって、組織の中でラベリングされながら生きる現代人の生きづらさを浮き彫りにしており、その上で様々な恋愛スタイルや生き方を優しく肯定してくれます。

 

 「男性だから」「イケメンだから」「経験の浅い社員だから」こうあるべきという押し付け、またはこうあるであろうという勝手な決めつけをしてくる世間。

そんな枠を超え、主人公の二人は「一人の人と人として」相手の心に触れ、やがて心を通わせ合っていきます。

 

黒沢はイケメンで仕事もでき、誰にでも優しく一見パーフェクト。

ところが内心では安達に対してかなり乙女な妄想をしていたことが安達に伝わったり、安達を思うあまりおかしな行動に出たりと、コミカルな部分も沢山あり、テンポよく話が進んでいきます。

コミカルな部分とシリアスな部分のさじ加減が絶妙で、笑いの中にも深く考えさせられ、感動させられます。

 

 深夜ドラマにもかかわらず大ヒットし、日本のみならずアジア各国で放映され主演の赤楚衛二さん・相手役の町田啓太さんは一気に注目度を上げられました。

この春にはドラマの続きのストーリーが『チェリまほTHE MOVIE』として映画化され、こちらも大ヒットしています。

 

私は原作も全て読みました。

原作は原作、ドラマはドラマでどちらも素晴らしい面があり、どちらが良いとも甲乙つけがたい。

こんな作品はなかなかありません。

 

また、この作品は、一見コミカルな中に、ルッキズムや性の多様性の問題、セクハラやパワハラ問題など、現代ならではの深いテーマをさりげなく描いています。

これらについても、過去のアメブロ記事に手を加えながら、少しずつお話させて頂きたいと思っております。

 

今回は映画の感想(ネタバレなし)で締めくくりたいと思います。

映画は、すごく良かったです。

 

変に原作から逸脱したり、派手な事件を起こしたりすることなく、二人が絆を深めていく様・成長していく様が淡々と、しかしとても丁寧に描かれます。

 

ファンの期待に忠実に応えてくれた形です。

 

 最初安達くんの魔法が消えてなかった理由も、「あ、そうだったのか!」と納得できる内容。

 

 ドラマ版に比べると、コミカルさは薄く、どちらかというとシリアスな内容が多いです。

けれど二人の互いを思う気持ちがしっかりと描かれているので、ある意味安心して見ていられます。

 

 それから、ファンなら「一度は見たい!」と思ったことのあるだろう、素晴らしいシーンが終盤で見られます。

 

 ただ、原作を知っている身からすると、少しコミカルさが足りなかったり、原作で深く描かれていた心理描写があっさり風味に変えられていたりと、少し物足りない面もあります。

映画はドラマと違って時間が短いので、どうしても「ダイジェスト」的になってしまう面もあるのかな、と思いますが、このあたりはファンの間でも賛否が分かれている様子です。

 

これについては、いずれ「映画感想(ネタバレあり)」として語りたいと思います。

 

これからもチェリまほ記事は順次更新していきますが、早く読みたい!と思って下さる方がもしいらっしゃいましたら、こちらもご参照ください。

https://ameblo.jp/dr-nagi/entry-12730766825.html

 

最後まで読んで下さって、ありがとうございました!

 

 

 

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