皆さん今日は、珠下なぎです。
今日も来て下さって、ありがとうございます!
さて、前回に引き続き、『チェリまほTHEMOVIE』の感想です。赤楚衛二さん主演、相手は町田啓太さんで大ヒット中のこの映画。
前回は、映画で「ここはちょっと……」と思ってしまったところを書いたので、今回は、「原作にない、映画のここがよかった!」というところを書きたいと思います。
①安達家への挨拶。
原作では、安達くんの両親は安達くんが子どもの頃に離婚し、母の今の夫は「安達くんが社会人になってから結婚した」という設定になっています。この設定のため、原作では安達くんと黒沢さんの仲は、お母さんが了承してそれでOK、という流れになっています。
一方、映画では、安達くんのお父さんが実父として描かれています。挨拶の時には、お父さんはお母さんの「あんたが選んだ人ならいいじゃない」という言葉に押されるように頷きますが、この後、黒沢さんを将棋に誘います。
この場面、安達くんのお父さんは言葉は少ないのですが、黒沢さんと将棋を指しながら、息子の夫となる人の存在を受け入れる心の準備を整えていることが分かります。
「選択の連続だな」「意志をもってされる選択は尊い」と時々、黒沢さんに伝えるようでもあり、自分に言い聞かせるようでもある、二人の選択を尊重していることをにおわせる言葉がこぼれます。
そして最後に、「清を選んでくれて、ありがとう」と頭を下げるのです。
いきなり息子が男性の恋人を連れて来て、結婚したいと言ってきたのですから、表には出さないまでも、相当な葛藤があったはず。父親を実父として描くことで、安達くんの結婚を、より「自分事」として受け止めている父親の姿が浮かび上がってきます。
②黒沢さんのお父さんの至言。
黒沢家への挨拶は、安達家へのようにすんなりとはいきませんでした。自慢の息子が男の恋人を結婚相手として連れてきたことを、どうしても受け入れられないお母さん。最初は目を合わせてもくれません。最終的には安達くんと黒沢さんの一生懸命な気持ちが伝わり、お母さんも二人を受け入れてくれるのですが、その時のお父さんのセリフは至言でした。
「幸せな人が増える。これ以上のことはない」
「君たちの人生は、君たちのものだ」
幸せな人が増えた世の中は、きっと誰にとっても生きやすい。私はそう思います。
同性同士のカップルを認めれば、幸せな人が増える。何かが失われるわけではありません。男性同士のカップルも、女性同士のカップルも、男女のカップルも、全て尊重される日が来ることを願っています。
そして、黒沢さんのお父さんは息子の選択を、一人の独立した人間の選択として尊重しました。黒沢さんのお父さんは、とても立派な方だと思いました。
『チェリまほTHEMOVIE』ネタバレあり感想、今回で終わりにしようかと思っていました、次回にも続きそうです。
次回は、私が「このシーン見たさに映画館に通ってしまった!」シーンについてお話したいと思います。
最後まで読んで下さって、ありがとうございました!