『遠の朝廷にオニが舞う』 作品解説&エピソード

『遠の朝廷にオニが舞う』の世界④「オニ」の語源について(by 珠下なぎ)

皆さんこんにちは、珠下なぎです。

 

鬼って一体何?シリーズの第2回目の今日は、「オニ」の語源について。

 

鬼とは、古代においては、「もの」と読まれていたということは、前回のブログでお話ししました。

 

このころの「鬼」のイメージはまだ固定しておらず、「この世の外にあるもの」一般、様々なものを指していました。

それは、死霊であったり、自然界の精霊であったり、また、未だ中央集権体制に組み込まれていない、王権にまつろわぬ民をであったりしたわけです。

 

「鬼」が「オニ」と読まれるようになったのは平安時代のことですが、「オニ」の読みの語源は、「隠=おぬ・おん」の字にちなむという説が一般的です。

 

これは、平安時代中期に作られた日本語として最古の辞書の部類に属する、「和名抄」にそのように記されているからなのですが、これには異説も多々あるようです。

 

いずれにせよ、平安以前の人々が、「自分たちの常識の範囲でとらえられないもの」「この世ならざるもの」を恐怖の対象とし、「オニ」と呼んだのです。

 

それが地獄の獄卒や妖怪・化け物といった、同じく恐怖の対象となった様々なもののイメージを吸収し、現在でいうところの「鬼」になったと考えられます。

 

「遠の朝廷にオニが舞う」の世界では、現在のようなイメージの固定する以前の「オニ」の世界を描いています。

どんな「オニ」が登場するのか、気になった方はぜひ、書籍をお手に取ってみて下さいね。

 

明日からは様々な種類の「オニ」の世界を、順番に取り上げていきたいと思います。

 

最後まで読んで下さって、ありがとうございました!

 

 

 

 

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