博物館・資料館 歴史展

九州国立博物館『はにわ展』レポート

はじめに

皆さん今日は、珠下(たまもと)なぎです。

今日も来て下さって、ありがとうございます!

 

さてさて、行ってきましたよ!

九州国立博物館で開催中のはにわ展!

 

本当は開始後すぐにでも行きたかったのですが、なかなか都合が合わず。

やっと行けて嬉しかったです!

 

お出迎え! はにまるひんべえと

九博のロビーでは、はにまるとひんべえがお出迎え。

これは、1980年代にNHKの教育テレビ(現Eテレ)で放送された、『おーい! はにまる』という人形劇のキャラ。

なつかしい~! なんて言ってると年がバレますね(汗)。

実はこのはにまる、現在開催されている『はにわ展』の目玉企画、「挂甲の武人」をモデルにしています。「挂甲の武人」は4頭身半ですが、こちらは3頭身。赤ちゃんみたいで可愛いですね。

 

さて、展示室に入りますと、はにわ「踊る人々」(6世紀・埼玉県・野原古墳)が出迎えてくれます。

2/8の朝日新聞の紹介記事で、「究極のゆるさ」と評された埴輪です。

 

今城塚古墳の偉容ふたたび

続いて紹介されたのは、出た!

我らが筑紫君磐井のライバル・継体天皇の今城塚古墳!

11月に九州歴史資料館で開催された「筑紫君一族史」でも紹介されていた家形埴輪。

今城塚古墳には、岩戸山古墳の「別区」と同じように張り出した部分があり、そこから多数の埴輪が出土しました。

この家形埴輪、と・に・か・く・デ・カ・イ!

1m以上はあると思います。

埴輪というと、ミニチュアのイメージから、30センチくらいの小さなものをイメージされる方がおられるかもしれませんが、皆意外と大きいんです。メイン企画の「挂甲の武人」も、1mくらいはありそうです。

 

そして、今城塚古墳にも、「挂甲の武人」埴輪が。

これは、今回の目玉企画の「挂甲の武人」とは別物です。一般的に「挂甲武人埴輪」とは、甲冑=よろいかぶとで武装した、6世紀の形象埴輪のことです。

巫女型埴輪、「筑紫君一族史」で展示されていたのと同じ? と思ったら微妙に違いました。

 

 

各地方の特色を持つ埴輪たち

こちらは『加耶』展にも来ていた気が……?

三重県松坂市で出土した船形埴輪の模造品。細部まで凝った作りです。

 

宮崎県西都原古墳で出土した子持ち家形埴輪。

竪穴住居の周りに、4軒の高床式の住居がくっついた、他に類を見ない珍しい埴輪だそう。

実際にこんな家に住んでいたのは、どんな人たちだったのでしょうか。

 

あごひげを持つ男子の埴輪。このタイプの埴輪は千葉県付近で多く出土する、地域色の強い埴輪だそう。

 

そして出た! 我らが石人さん!

これは、阿蘇の凝灰岩を使って作られた、「石製表飾」と言われる造形物のひとつ。

筑紫君磐井の本拠地だった福岡県八女地方を中心に、北部九州に広く見られます。

石人も「石の埴輪」として紹介されていたのは嬉しかったですね。

 

メイン企画! 挂甲の武人たち

そしていよいよメイン企画の挂甲の武人たち!

休日だったので写真は難しいかなと思ったのですが、午前中で雪もちらつくとても寒い日だったので人が少なく、誰もいない状態で写真を撮ることができました。

真ん中が国宝の「挂甲の武人」。

この埴輪には、同じ工人の手によるものではないかと言われるほど、似通った埴輪が4体存在しています。

いわゆる「兄弟埴輪」。

いずれも群馬県から出土していますが、ふだんは別々の美術館や博物館に収蔵されている埴輪たち。

今回のはにわ展で、ついに大集合!

5兄弟、感動の再会!

 

こちらが国宝「挂甲の武人」。

2020年にもう一つの挂甲の武人埴輪が国宝に追加されるまでは、唯一の国宝埴輪でした。

はにまるのモデルとなった埴輪です。

   

 

左は、5兄弟のうち、最も新しく制作された末っ子埴輪。

右は、米国のシアトル美術館蔵のもので、今回海を越えて里帰りとなりました。

 

左は、矢を入れる道具である胡録を腰につけ、シアトル美術館蔵の武人埴輪と非常に類似しています。そのため、一部研究者の間では、「一体分の破片から二体の埴輪を復元したのでは」と疑う声もあるほどだそうです。

 

これは、兄弟ではありませんが、2020年に国宝指定された、もう一つの「挂甲の武人」。同じく群馬県出土です。

 

ちなみに、彩色を復元したものも。こんなに色鮮やかだったんですね。

 

ユーモラスな埴輪たち

はにわ展では、他にもユーモラスな埴輪がたくさん。

こちらは力士の埴輪たち。葬送の儀礼の中で四股を踏み、古墳が築かれる地を鎮めたと考えられているそう。

 

こちらは、盾持つローハンの乙女!(©指輪物語)ならぬ盾持つ埴輪。

出土地はばらばらですが、素敵なスマイルは共通。

笑顔は邪悪なものを遠ざけるためだそうです。

ちょっと前にXで「マツケンサンバは除霊に効く」と話題になりましたが、「陽の気」というものには邪悪なものを寄せ付けない力があるのかもしれませんね。

 

こちらは両面埴輪。

形象埴輪は基本実在するものをモデルにしますが、これは「唯一の例外」だそうです。

本当に実在しなかったのかな。両面宿儺の伝説もありますし、実在した結合双生児ではなかったのかな。両面宿儺というと、たまなぎは『宇宙皇子』で覚えましたが、最近の人は『呪術廻戦』の方がおなじみなのでしょうね。

 

可愛い埴輪の動物園

そして、出た! 埴輪レース。

ゆるゆるの動物埴輪たち!

 

奇跡の1500歳児とも再会。

 

鶏埴輪。朝を告げる鳥として、鶏は特別な存在でした。

この埴輪は6世紀のものですが、鶏埴輪自体は馬や鹿などの埴輪よりも古くから存在し、福岡県の津古生掛古墳からは、3世紀の鶏埴輪が見つかっています。

 

 

おまけ

帰りには、西鉄大宰府駅近くの「パンケーキ堂」さんでパンケーキを頂きます。

たまなぎは飛梅伝説にちなんだ「飛梅パンケーキ」を頂きました。

いちごとバナナで梅がかたどられています。

飛梅伝説とは、菅原道真が太宰府に流された後、都で庭に植えていた梅の木が空を飛んで道真の元にやってきたという伝説。

ふわふわで、中はとろとろのスフレタイプでした。

 

店内は、釣りが趣味のご主人が海辺で集めた流木や貝殻を使った素敵なオブジェで飾られていました。オブジェの一部は販売されています。

 

さいごに

九州国立博物館のはにわ展は5月まで開催されています。

後の方になると、特にGWなどは非常に混むと思われますので、興味のある方はお早めに!

 

 

 

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