読書

珠下なぎの読書メモ②『友だちの木』

皆さんこんにちは、珠下なぎです。

今日も来て下さって、ありがとうございます!

 

今日は久々に読書メモ。

児童文学作家のおおぎやなぎちか様の新作、『友だちの木』。全6話の短編集です。

 

小学生たちの日常にそっとよりそい、不思議な力を発揮して子どもたちを助けてくれる木たちの物語。

日常に起こる、ちょっとしたトラブルやいさかい、不協和、それを温かい魔法の力が癒してくれる、素敵な物語です。

この物語は現代を舞台にしていますが、はるか太古から人間のすぐ隣にあった「人知を超えた力を持つものとしての自然界」の果てしない大きさを連想させます。

南方熊楠の『巨樹の翁の話』を思い出しました。

最後に物語どうしのつながりが示唆されるところといい、「この世の全てはつながり合っている」という、仏教の「縁起の思想」に支えられているようにも読めます。

さすが、ファンタジーを得意とされるおおぎやなぎ様の本領が発揮された物語だと思いました。

といっても難しい話ではありません。小学生にも易しく読め、日常の中の温かな魔法に安らぎを見出せるような物語です。もちろん大人の方にもお勧め。

柔らかな色彩の表紙もとても美しく、本棚にずっと飾っておきたくなるような本です。

おおぎやなぎ様、素敵な物語をありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

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