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たまなぎブログ by LTA出版事業部

『石子と羽男』2話感想(ネタバレなし)

皆さん今日は、珠下なぎです。

今日も来て下さって、ありがとうございます!

 

チェリまほ主演の赤楚衛二さんが三番手として出演され、好調なスタートを切った「石子と羽男」。

第2回目もとても面白かったです。

今回は、小学校6年生がスマホゲームに課金してしまったというお話。

最近よく問題になるネタですが、相変わらずドラマとしてもよく練られ、社会的なメッセージもきちんと込められた良作でした。

極力ネタバレはなしで感想を書こうと思いますが、もしネタバレしていたらごめんなさい。

 

 

子どもの過失は社会でカバーするルール

お客さんが少ないので(?)無料相談に乗り出した潮法律事務所。

そこに、小学校6年生の男の子が知らないうちにゲームに大金を課金してしまったという女性が相談に現れます。

未成年者が誤って課金してしまった場合は返金できると聞いて、安心して帰っていく親子。それを見て複雑そうな顔をするのは、赤楚衛二さん演じる蒼生くん。

未成年だからってなしにするのもやもやするんですけれど」とこぼす蒼生くんに、有村架純さん演じる石子さんはにっこりしてこう告げます。

未成年の過失は社会全体でカバーすべきってルールなんです」と。

何かというと「自己責任」が追及され、子どもの場合は「親の責任」が強調される現代社会に対する、強烈なメッセージのようにも思えます。

数年前に、通勤時間帯の電車を子育て世代が利用することで巻き起こった「ベビーカー論争」、妊婦さんや母親に対する嫌がらせなど、現代社会社会は子育てしにくい環境だと言われます。

それで自分を追い詰めてしまう親も少なくなりません。

石子さんのこのセリフは、「子どもは社会全体でサポートするもの」と、親たちに対して救いの手を差し伸べるメッセージにも取れました。深読みしすぎでしょうかね。

 

「親ガチャ」という言葉に象徴されるスタートラインの不公平と親子関係

今回のドラマでは、「親ガチャ」という言葉が頻繁に出てきます。

友人の親と自分の親を比較して、「親ガチャに外れた」という中学受験生たち。

中学受験できる子どもたちに「あんたたちは親ガチャに当たってる」という言葉を投げつける大人。

そんな彼らに、石子さんは誠実に語りかけます。

「スタートラインで差がついてしまっているのは本当だと思います」

「実際にひどい親もいますから、生まれおちた環境をそのまま受け入れろとは思いません。ただ声を上げて欲しいんです」

「でも多くの親は頑張って親をやっています。多くのこどもも期待に応えようとがんばって子どもをやっています。そういう親子の関係をあたりだはずれだというのはどんな意味があるんでしょう」

現代社会は格差社会。以前アメブロでも書いたように、「親ガチャ」などという言葉が流行るのは、生まれた時の格差が個人の努力で埋めようがないほど大きくなってしまったことへの証左でしょう。

けれど石子さんは、生まれた時の格差があることは否定せず、その上で何でも「親ガチャ」という言葉で片付けることには疑念を呈します。

それは、経済的な格差とは別にして、親子の関係とは、他人と比較してどういういうものではない、という石子さんなりの考えではないでしょうか。

以前親ガチャについて書いた記事はこちら↓

https://ameblo.jp/dr-nagi/entry-12703754998.html

 

ドラマ全体を通して

未成年者の課金の問題は、ドラマのほんの入り口にすぎません。

ドラマは二転三転し、先の読めない展開。それでも振り回された感じはなく、結末はとても心地よいです。

親子の関係をしっかり考えさせ、感動できる結末となっていました。

ただ、今回は1話と違い、「絶対悪」となってしまった人が一人おり、その人に救いが用意されなかったのは少し残念かな、と思いました。

 

④俳優さんのことなど

一緒に仕事をするうちに、真面目で頭の固いパラリーガルの石子さんと、見栄っ張りで型破りな弁護士の羽男さんは、お互いの欠点を補い合う「バディ感」が出てきます。

それを横目に苦い緑茶を飲み干す蒼生くんの表情がなんともいえずうまい。

年上の女性を慕う年下男子を演じさせたら、可愛さで赤楚さんの右に出る人はいないんじゃないでしょうか。

 

今回相談者役で出演されていたのは木村佳乃さん

この女優さんは北条泰時が主役の大河ドラマで見たのが初めてでしたが、本当に役によって別人の顔になりますね。本当に「カメレオン」女優さんだなと思います。すごい。大河ドラマにも何回も出演され、名脇役といった感じです。今回も場をしっかりひきしめておられました。

 

それから今回面白かった小ネタは「いちごのぱんつ」

日本史を選択した方はご存じでしょう、1582年、本能寺の変の覚え方です。

これ、高校時代に聞いた時は3日くらい笑いが止まらなくて困りました。最近は中学受験の段階で必要になる年号なんですね。いちごのぱんつ、一時トレンド入りしていたようです。

 

石子さん、羽男さん、それから蒼生くん。

予告によると、次回ではそれぞれの背負ったものが少しずつ表に出てくるようです。

先が楽しみです……!

最後まで読んで下さって、ありがとうございました!

 

 

 

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