皆さんこんにちは、珠下なぎです。
今日も来て下さって、ありがとうございます!
今日も諏訪の神様の続きです。
今回取り上げるのは、チカト神。
これまた耳慣れない神様ですが、漢字で書くと「千鹿頭神」。
この神様は、
『神長守矢氏系譜』によれば、守宅神(洩矢神の息子)の子であり、祭政を受け継ぐ守矢氏の3代目に数えられる。名前は守宅神が鹿狩りをした時に1,000頭の鹿を捕獲したことから由来するといわれている。
引用:Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%83%E9%B9%BF%E9%A0%AD%E7%A5%9E
諏訪地方でこの神様を祀っているのは、諏訪大社の上社の摂社(本社の神にゆかりの深い神をまつる社)である、千鹿頭神社。
古くは諏訪大社の御頭祭(おんとうさい)に使われる鹿の頭を用意する役割を与えられていたと伝えられています。
御頭祭(おんとうさい)って何でしょう?
諏訪大明神(=健御名方神)には姿かたちはなく、その魂は童子に宿ります。
童子=大祝が、冬の間に三か月のお籠りを終えて姿を現す儀式が、御頭祭です。
この祭りには、かつては75頭もの鹿の頭、兎や鯉などを神饌としてお供えしていたそうです。
75頭もの鹿の頭(しかも本物!)が並ぶありさまは想像するとなかなかショッキングです。
その一見血腥い側面から、ミステリーやホラー小説の題材にもされがちなお祭です。
けれど実際のところは狩猟の獲物だけでなく農耕の産物も奉納されており、大地の恵みに感謝する意味を持ったお祭だと、宗教学者の西沢形一氏は解説されています。
音楽家の坂本龍一氏は、宗教史学者の中沢新一氏との対談の中で、「御頭祭はアイヌの『熊送り』に近い」と指摘されています。
狩猟の獲物に感謝してその魂をあの世に送り、もう一度この世に戻って来てくれることを祈る、死と再生の儀式だというのです。
諏訪大明神を宿した童子のお籠りも、冬眠=死をイメージしているとされています。
冬の間の死を経て、春にはまた再生する。
そういった意味でも死と再生の儀式なのです。
死と再生。これは最後に残った、最も謎の多い神様・ソソウ神にも関わってくるところですが、そのお話はまた次回にしたいと思います。
最後までお読み下さって、ありがとうございました。