はじめに
皆さん今日は、たまなぎこと珠下(たまもと)なぎです。
今日も来て下さって、ありがとうございます!
さて、今日もチェリまほ15巻感想の続き。
今回はつげみな編です。
カミングアウトをめぐって
すっかり関係の安定したメインカップルと異なり、こちらはまだまだ波乱が続きます。
デビュー直前にして、柘植先生と歩いているところを隠し撮りされてしまった湊くん。
今の時代、画像はSNSであっという間に拡散。
事態を重く見た柘植さんは、「大げさ」という湊くんを押し切って、事務所に謝罪に出向きます。
事務所の担当者は温かく対応してくれたものの、柘植さんと湊くんの考え方の違いが、次第に露になっていきます。
「将人と付き合ってるのかそんなにおかしいかよ。もう令和だぞ。カミングアウトしているタレントなんていくらでもいる」
湊くんくんは主張しますが、柘植さんはそこまで世間を信用できません。
たまなぎは湊くんよりは柘植さんに年齢が近いですので、柘植さんの懸念はよく分かります。
昔に比べて同性愛者への偏見は少なくなったとはいうものの、まだ異性愛者と同等に扱われるというのにはほど遠い社会状況。
まだ、平気で差別的な発言をする著名人も後を絶ちませんが、ろくな謝罪もせずに許されている状態。
湊くんを心配するあまり、「変なイメージがついたら……」とこぼしてしまう心境も分かる。
一方、悪いことをしているわけでもないのに遠慮しなければならない理不尽に憤る湊くんの気持ちも当然。
二人はわだかまりを抱えたまま、湊くんは仕事に呼ばれてしまいます。
どちらが悪いわけでもない。どちらも真っ当で、お互いのことを真剣に思っているがゆえのすれ違い。切ないですね。
そしていよいよ魔法使い卒業へ……
湊くんと喧嘩してしまったことを相談しに、柘植さんが訪れたのはくろあだ家。
ナナナケーキ、もといバナナケーキでもてなされ、励まされます。
言葉で気持ちを伝える大切さを安達くんに諭された柘植さんは、湊くんに正直な気持ちを伝えます。
「デビュー直前の芸能界でまだ立場も弱い湊に、仕事や人間関係を盾につけこむ人間だっているかもしれないと思ったからだ」
ですよね。ジャニーズの例だってありますし、男の子だって被害に遭うこともあります。それに「同性愛者」という弱みにつけこみ、無茶な要求をしてくるものだっているかもしれません。
その後つづく柘植さんのせりふ。ぐだぐだ前置きが長いのですが、結局は、
「湊をそういう目で見る男が増えるのは嫌だ」
この言葉の方が一番湊くんの心にまっすぐに届いたようです。
うんうん分かります。「君のためだから……」と色々理屈をこねられるより、まっすぐな愛情の方が人の心には刺さるもの。ふたりはすっかり仲直りします。
そのついでに、「その力(心が読める魔法の力)なくす方法ってねーの?」
と尋ねる湊くん。湊くんは知らないんですよね。この段階では。
方法を聞いた湊くんは、一瞬たじろぎますが、「しょうがねえな」とあっさり承諾。
男前ですね。
柘植さんも、魔法の力を失くすことについて、ドラマ安達くんのように悩むのではと思いましたが、その場で魔法使い喪失の道を取ります。
湊くんの心を読めなくなって、すれ違いが生じてしまったり、関係がうまくいかなくなるかもしれない懸念よりも、湊くんの気持ちを優先した柘植さん、うん。カッコいいです。
いや、少し前の柘植さんなら悩んだかもしれません。
しかし、湊くんとの何度かの行き違いやいさかいを通して、柘植さんも「気持ちをきちんと言語化して伝えること」の大切さを知り、それを実践できるようになってきた。
だからためらわずに魔法使い喪失の道を選ぶことができたのでしょう。
さいごに
うん、つげみなカップルも無事、魔法使い卒業→円満カップルへ。
『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』にも、そろそろ終わりが見えてきました(さみしいけど)。
さて、残されたのはあのカップルと、始まりのあの人……!
16巻が待ち遠しいような、終わってほしくないような……
最後までお読みいただき、ありがとうございました!