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たまなぎブログ by LTA出版事業部

『大江山恋絵巻~人の巻~』キャラ紹介④浅茅

はじめに

皆さん今日は、たまなぎこと珠下(たまもと)なぎです。

今日も来て下さって、ありがとうございます。

今回はたまなぎの新作『大江山恋絵巻~人の巻~』キャラ紹介その④。

主人公・鬼二人に続き、今回は大江山で酒呑童子さまの次に登場する姫・浅茅(あさじ)です。ネタバレはありませんので、安心してお読み下さい。

 

浅茅のプロフィール・設定

名の由来

それでは、ご紹介です。

 

浅茅は茜が大江山に来てから、初めて出会った女性です。茜と同じく元貴族の姫で、大江山では茜の先輩にあたります。

「浅茅(あさじ)」という名に、茜は違和感を覚えます。大江山の仲間に新しく加わった人は、それぞれ自分に新しい名を付け、新しい人生を始めるのです。ですから、浅茅の名も自分でつけたもの。 

すが、「浅茅」というのはカヤのことです。荒れた家や人のいない場所に生い茂るものですから、歌などに詠まれる時は寂しい様子を表すとされます。なぜ浅茅が自分にそのような名を付けたかは、物語が進むにつれて明らかになっていきます。

 

性格

この浅茅は茜よりも2歳ほど年長で、大江山の皆と仲良くやっています。貴族の姫には珍しく、体を動かすことが大好きで、とても働き者。山の生活に慣れない茜を優しく指導します。しっかりしていて、やや気の強い一面もあります。

茜が早く皆になじめるようにと細かく気を遣ってくれるので、茜も浅茅にはすぐに打ち解けるのです。

ただそんな浅茅にも欠点が。それは早口の癖。普段は気を付けているのですが、気を抜いたり逆に興奮したりするとすぐに早口になってしまいます。そうなると誰にも聞き取れなくなってしまうのです。

ただ、とても明るくて、ざっくばらんな性格。そういう意味では酒呑童子さまと似たタイプかもしれません。以下、茜の教育係となった浅茅との最初の会話の場面です。

「茜、と呼んでいいのね?」
浅茅は小首を傾げてわたしの顔をのぞき込んだ。
「は、はい……。浅茅……さま?」
わたしがうなずくと、浅茅は嬉しそうに笑った。
「さま、はいらない。浅茅でいい。わたしも茜って呼ぶから」
わたしは思わず目を見開いた。親しみやすそうだと思ってはいたけれど、思った以上に気取らない女性だ。貴族の姫には珍しい。

珠下なぎ『大江山恋絵巻~人の巻~』より

 

 

大江山の皆さんから

それでは毎度のように、大江山の皆さんへのインタビューです。(一部本文にはないセリフがあります)

 (茜)「優しいけれどしっかり者で気が強くて、わたしに甘えたことなんて一度もなかったのに」

(酒呑童子)「よく働いてくれるしいい子だよ。皆とも仲良くやっている」

 (茨木童子)「特に不満はない」

(紅葉)「あの方、ひと時もじっとしていられないんですの。疲れて眠くなるまで、動き回っているでしょうから」

おおむね働き者でしっかりしている、という評価のようです。ただ、体を動かして働くのが大好き、というのは、あまり貴族の姫らしくはありません。同じくもと貴族の姫である紅葉は、またちょっと違う感想を持っているようですが……?

 

モデル

実を言いますと、この浅茅にはモデルがいます。しかも二人。

一人は『御伽草子』の「酒呑童子」の段に登場するとある姫。都からさらわれた(とされる)姫の一人です。

もう一人は、「酒呑童子」と同じ時代を描いたあの名作『源氏物語』に登場するとある姫です。光源氏と直接関係した姫ではなく、あまり有名ではない人物ですが、印象的な人物ですので『源氏物語』を通読した方にはすぐにお分かりになると思います。

二人とも、ネタバレになりますので名前は出しませんが、『大江山恋絵巻~人の巻~』を読んで下さった方は、ぜひ探して見て下さいね。

「酒呑童子」の現代語訳はこちら↓

御伽草子『酒呑童子』現代語全訳①

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まとめ

・『大江山恋絵巻~人の巻~』の浅茅は、主人公・茜の先輩的役どころ。優しくしっかりしていて、働き者。早口という欠点もある。

・浅茅のキャラは、『御伽草子』版「酒呑童子」のとある姫と、『源氏物語』の登場人物をモデルにしている。

 

最後までお読み下さって、ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後までお読み下さって、ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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