作品関連情報と歴史・文学・ドラマ・本・映画etc

たまなぎブログ by LTA出版事業部

チェリまほ14巻(通常版)感想②(ネタバレあり)

はじめに

皆さん今日は、珠下(たまもと)なぎです。

今日も来て下さって、ありがとうございます!

 

さて、今日は前回の続きです。

語ることが多すぎて、無料公開分の感想だけで終わってしまった前回。

今回は書下ろし部分も含めての感想をお話ししたいと思います。

 

ただの「当て馬キャラ」ではなかった橘さん

橘さんの過去、安達くんのピンチ

さて、前回の記事でも書きましたが、今回メインカップル以外の注目キャラは、何といっても橘さん。

たまなぎは「当て馬キャラの登場」「三角関係」はあまり好みではありませんでした。

それが一気にひっくり返ったのは、橘さんが過去を語る場面です。

橘さんは、かつて同じ会社の男性と付き合っていて、それがバレて会社を辞め、その男性とも別れ、外国をしばらく旅行していたとのこと。その時にフィンランドが気に入り、長く滞在したのが縁で今の会社に就職したそう。

 

うーむ。ここで一気にたまなぎは橘さんがかわいそうになってきてしまいました。

日本ではまだ同性婚は認められておらず、差別や偏見を持つ人も多いです。

また、「自分は差別はしないけど近くにいたら嫌」と無自覚な差別意識を持つ人も、決して少なくなくありません。

むしろ、「近くにいても大丈夫!」という人の方がまだまだ少ないかもしれません。

橘さんは会社から解雇されたのではなさそうでうが、いづらくなってやめたのは間違いなさそうです。

 

そして、黒沢さんが橘さんの店舗の視察に同行する場面。橘さんは、カメラロールの写真から、「豊川の同僚の黒沢」が安達くんの恋人であることにはすぐ気づいたに違いありません。これは平静ではいられなかったでしょうね。

 

しかしそこで、「同僚と付き合うことのリスク」を安達くんに意識させ、不安にさせる作戦はさすが恋愛上級者……案の定、安達くんは不安になってしまいましたしね。

さらに、さらに、打ち上げの席で安達くんを酔わせ、あわよくばお持ち帰りしようと目論む……安達くんピンチ! しかしやっぱりやってきましたねセコム沢。

しかも謝罪にかこつけて「安達は俺のもの」アピール。さすが強い。

 

作品中で橘さんの果たした役割とは

この橘さん、一見恋愛慣れしたただのお邪魔虫に見えますが、さすが女神さま、橘さんを通して重要なテーマを描いています。

安達くんと黒沢さんは、幸い理解ある同僚や上司に恵まれ、二人の関係が仕事に悪い影響を与えるような事態には遭遇していません。

 

しかし、前項でも書いたように、橘さんはそうではなかった。そして、同性婚が法的に認められておらず、世間の偏見もまだまだ根強い今日では、どんなことで安達くんと黒沢さんカップルも、そんな事態に陥るか分からないのです。

 

橘さんは、恋人とは指輪を交換するくらいラブラブだった。一生添い遂げる覚悟もしていたのかもしれません。

しかし、何があったかは分かりませんが、恋愛がバレたことが原因で、仕事も恋人も失いました。

 

同僚同士で付き合い、幸せを謳歌している安達くん黒沢さんカップルにちょっかいを出したくなったのもそのため。くろあだカップルにとっては迷惑以外の何物でもありませんし、酔わせて安達くんをお持ち帰りしようとするなんて言語道断(怒)・万死に値します(怒)が、橘さんのキャラは重要なテーマを読者に突き付けます。

 

それは、「安達くんと黒沢さんの生きているこの世界が、まだまだ同性カップルを受け入れる準備ができていない」ということ。

同性と付き合っているという、それだけで、仕事上不利益をこうむったり、最悪失職したりする世界。

そういう世界に安達くんも黒沢さんも生きているのだということ。

 

男性同士の恋愛を描いた、いわゆるボーイズラブものは、「女性のためのファンタジー」という側面もあり、現実とは乖離した作品も多く生み出されてきました。

しかし、近年になって、先進国での同性婚容認などの社会の進化に伴って、より現実社会に近く、しかも社会的テーマを内包した作品が増えてきました。

チェリまほはもともと「魔法」を前提にしているのでファンタジーの側面が強い作品でしたが、魔法喪失後は、「現実の二人の生活」をしっかり描くようになってきました。チェリまほも先に述べたように、「現実世界の中で生きる同性カップル」をよりリアルに描く作品群の流れの中に入って来たと言えるかもしれません。

 

安達くん黒沢さんそれぞれの反応の見どころ

さて、ちょっと固い話になってしまいましたので、話を切り替えまして。

橘さんにさんざん振り回された安達くんと黒沢さんですが、その中でもファンを歓喜させる見どころが沢山の14巻でした。

たまなぎが一番キュンとしたのは、橘さんの登場により、「安達くんの恋愛経験黒沢さんだけ」ということが改めて強調されたところ。

68話の「改めて俺って恋愛スキルないっていうか 黒沢しか知らないんだな」

黒沢さんしか知らない安達くん……

黒沢さんしか知らない安達くん……

黒沢さんしか知らない安達くん……。

そして恋人の存在をアピールする手段を、またググる安達くん。ああもう、そういうところが可愛いんです。

 

一方黒沢さんは、「燃えるような……」の翌朝、「恋愛の駆け引きとか誘い方のかわし方とかわからないのは俺のせいだし」などと独白。

……俺のせいだし。自覚あったんですね。しかも嬉しそうだし。

独占欲強くて狭量な黒沢さん最高です。

 

さいごに

思ったより長くなってしまいました。

その他の萌えどころや、つげみなカップルのその後、衝撃的なラストなど他にも書きたいことは沢山ありますが、続きは次回に譲りたいと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!

 

 

  • B!