はじめに
皆さん今日は、珠下(たまもと)なぎです。
今日も来て下さって、ありがとうございます!
さて、先日のチェリまほ11話についての分析記事には、大変沢山のアクセスをありがとうございました!(amebloと本ブログを合わせたら、公任さまの記事へのアクセスに匹敵する数でした。すごい!)
13巻の発売、チェリまほミュージアム、タイ版ドラマの放送、アニメ化も目前と、チェリまほ界隈も盛り上がっていますね。
それで、これから少しずつ、amebloに書いたチェリまほの過去記事で、反響の大きかったものを再掲していこうと思います。今回は、ドラマ版3話についての感想です。
以下ネタバレを含みます。
ドラマ版チェリまほの、社会派ドラマ的側面
ドラマの中では7話が出色の出来だと思うのですが、私は3話もかなり好きです。
というのも、原作1巻に忠実に作られているようで、ちょっとした違いを与えることで、社会派ドラマとしての奥行きを感じさせる作りになっている回だからです。(これは7話についても言えます。7話についてはまた次回お話します)
浮彫にされる、社内の上下関係と問題点
初契約をゲットした新卒の六角のために、部長が開いた飲み会。
黒沢の惜しみない愛情に触れ、黒沢の真剣な気持ちに向き合おうと決心した安達が、黒沢を食事に誘った直後の出来事だったので、営業事務の安達も付き合わされる羽目になります。
上司に勧められるままに酒をあおり、ノリのいい若者を演じる六角。
安達は「こういうノリ、ちょっと苦手」と思いつつ、隅っこでチビチビとビールを飲んでいます。
ところが、その六角も、実は「(飲み会に使われている)あの個室、煙草の臭いきつい、戻りたくない。でも安達さんたちも付き合わさせちゃってるし、我慢しないと」と、昭和のノリで繰り広げられる飲み会に、辟易していることを、安達は魔法の力のおかげで知ることになります。
「胃薬買いたいから、コンビニまで案内して」と、こっそり六角を逃がしてあげようとする安達。六角は「自分が買ってきますよ!」と勢いよく出ていきます。
六角がいない間に、王様ゲームが始まります。
原作では、その場のノリでなんとなく始まったように描かれていますが、ドラマ版では40~50代の男女の社員が主導しており、20~30代の世代が逆らえない形で強引に始められたことがはっきりと分かります。
王様命令で安達と黒沢がキスをさせられることに。
ここで安達が怯えていることに気付き、黒沢は安達のおでこに優しくキスをして、「はい、終わり」とその場を収めます。
このキスシーンも「宗教画⁉」とネット上で騒がれたほど美しかったことは、皆さんご存じのことと思います。
パワハラもどきのゲームに対する、それぞれのキャラの対応
その後の黒沢の対応の、漫画との違いにも注目です。
漫画では「ちょっと電話」と出ていくだけなのですが、ドラマ版では、男性上司が、「黒沢もしかして怒ってる?」と問いかけます。
それに対して黒沢は、「怒ってないですよ。でももう、こういうの終わりね」と、冗談半分にしろ上司に向かってセミため口で釘を刺します。
さらに黒沢が出て行った後、戻ってきた六角が妙な空気を感じて戸惑います。
王様ゲームをしていたことを知った六角は、「今時王様ゲームとか、時代錯誤過ぎて引くんですけど」とばっさり。
鼻白む上司に取り合わず、「六角くん、見直したよ」とそっと囁く安達の同期の藤崎さん。
最初に王様ゲームが始まった時の藤崎さんの表情からは、藤崎さんがこの状況を嫌がっていたことがはっきりとわかります。
けれどなかなか上司相手にそうは言いにくい。
この回では、40代~50代が下の世代に対して無意識にやってしまいがちなパワハラの問題点が、世代の対立を通じて浮き彫りにされているのです。
王様ゲーム、私は遭遇したことはありませんが、同世代(40代)の男性たちは合コンなどでよくやっていたと言いますね。
少々無茶な要求でも聞かなければならず、断ればその場の空気を壊すとして、いやいややっていた人も多いのではないでしょうか。
このドラマのシーンのように、上司からの提案で、しかも上司が王様だと、余計断りにくく、ほとんどパワハラと言ってもいい状況になります。
それに率直にノーを突き付ける新卒の六角。うまくごまかしつつ、相手に釘をさす黒沢。
嫌がりつつ、押し切られてしまう安達。なかなかノーを言えない藤崎さん。
まとめ
原作では黒沢と安達の関係だけに焦点が当てられていましたが、登場人物それぞれにちょっとしたセリフや動きをプラスして、社会派ドラマとして深みを感じさせる場面になっている。これはドラマならではの優れた点です。
もちろん原作は原作で、私はとても好きなんです。
原作の方がよかった点も沢山あり、私としては原作もドラマも甲乙つけがたいのです。
結論「チェリまほは一粒で二度おいしい」。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!