皆さん今日は、珠下(たまもと)なぎです。
今日も来て下さって、ありがとうございます!
さて、今日はちょっと変わったスポットの紹介をさせて頂きます。
先日、2回に分けてご紹介した、国宝・霧島神宮の参道に、「霧島天狗館」という、人目を引く建物がありました。
「何? 天狗⁉」
鬼好きを自称するたまなぎですが、実は天狗界隈にも興味大。
PCの中には、書きかけの平安天狗ファンタジーが眠っていたりなんかもします。
これは行かなければならないでしょう。でも、どうして霧島神宮で天狗なんでしょう。
その謎を解くため、いざ天狗館へ!(入館料は大人250円、子ども100円と格安です)。
ちなみにたまなぎは河童にも反応します。別にかみついたりはしませんが、ご注意下さい。
1.天孫を案内した神様・猿田彦
中に入ってみると、こんなお面が。
おや、猿田彦様ではありませんか。
前の記事でも紹介したように、霧島神宮は、天孫・瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)をはじめとした、天孫降臨伝説にちなむ神々を祀った神社です。
猿田彦は、その時、瓊瓊杵尊の道案内をしたという神様です。何となく見えてきました。
中に案内板があります。
なるほど。霧島神宮に秘蔵されている9神のお面にちなんで、お面をたくさん展示しているところなのですね。
霧島神宮のお面は、神楽の時などに使われる。霧島神宮は天孫降臨伝説に関する神様を祀っているので、神楽も天孫降臨伝説にちなんだものなのでしょう。ですから猿田彦のお面がある、ということなのですね。
入り口にはお神楽の時の猿田彦を映した写真と共に、様々なお面が飾られていました。
鬼やおかめひょっとこ・狐の面も。また、天狗は天狗でも、珍しい女性の天狗の面もありました。けれどこれはほんの序の口。中には1800種類もの面があるというのですから驚きです。では、順番にご紹介していきましょう。
2.「霧島天狗館」の天狗たち
中には、天狗に限らず、様々な日本のお面、海外のお面もありました。
入り口からしてこんな感じです。
まずは天狗から。これはいかにも……な天狗ですね。鼻が高く、真赤ないかつい顔、私たちがイメージする天狗です。
こちらには全身像も。高い鼻、山伏風の衣装、手にはうちわ。足は高下駄を履いておらず裸足ですが、その他は私たちがイメージする天狗の特徴を、ほぼ備えていると言えましょう。
これは珍しい女性の天狗。「姫天狗」とあります。どちらのものか分かりませんでしたが、由来があるなら詳しく知りたいですね。
そしてこちらは、インドのガルーダ像。なぜ?と思われる方もおられるかもしれませんが、これも天狗と関連の深い神様です。
3.猿田彦=天狗?
そもそも、天孫降臨伝説に登場するところの猿田彦と、天狗がどうして同一視されるのでしょう。
答えは簡単。外見が似ているからです。
『日本書紀』には、猿田彦の外見はこのように記されています。
「鼻の長さ七咫(1.2m)、背の丈は七尺(2.1m)あまり、口と尻は明るく輝いていて、目は八咫鏡のように丸く大きくて、真赤な酸漿(ほおずき)のように光り輝いている」
左が猿田彦、右が天狗。確かに見分けがつかないほど似ています。
しかし、その性質は似て非なるものです。
猿田彦は、天孫が地上に下った時に、出迎えますが、その異様な外見のために怪しまれてしまいます。
そこで様子を見に行かされたアマノウズメ神は、乳房と陰部をあらわにして猿田彦を威嚇します。
あれ、既視感……? と思われた方、正解です!
スサノオノミコトがあまりにも高天原でめちゃくちゃをするので、ブチ切れたアマテラスが天岩戸に隠れてしまった時、ストリップまがいのダンスで大騒ぎし、アマテラスを引っ張り出すのに成功したのがこの女神さまですね。
猿田彦は天孫に従い、天孫の案内役を務めますが、役目が終わると、アマノウズメによって故郷の伊勢の五十鈴川の川上に送られます。アマノウズメと結婚したともいわれ、夫婦神として子孫繁栄のご利益があると言われたり、道案内の神ということから道祖神として祀られたり、多様な性格を持つ神様なのです。
一方、天狗は、今のようなイメージが定着したのは、平安時代以降です。
そもそも天狗とは「天の狗(いぬ)」=「あまつきつね」と呼ばれ、唐代では日食や月食を起こしたり、子孫繁栄を妨げたりする悪い犬とされていました。それが様々な要素を取り入れて、今のような形になったのです。
長くなりますので、続きは次回に。
霧島神宮の記事はこちらです。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!