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たまなぎブログ by LTA出版事業部

AI(chat GPT)に自作と同じ設定で小説を書かせてみた!

皆さん今日は、珠下(たまもと)なぎです。

今日も来て下さって、ありがとうございます!

 

さてさて、最近話題の「小説を書くAI」

話題のChatGPTに加え、MicrosoftのBingのチャットもかなり能力が高いと聞いた珠下なぎ。

「これは将来脅威かも……?」「たまなぎの(文筆の)仕事、なくなる……?」「いや、逆に味方につければチャンス……?」

様々な思いが交錯。

しかし、時代の流れには逆らえません。

こういう時はさっさと試してみるに限ります。

もしAIを味方につけることができれば、自作のグレードアップにつながるかもしれない。

そんな思いから、まずはChatGPTから試してみることに致しました。

 

1.ChatGPTって、どう小説を書くの?

登録は思ったより簡単です。無料版は誰でも使えます。

Introducing ChatGPT (openai.com)

このページから、左下の「TRY GPT Chat」を選び、メールアドレスと携帯電話番号を登録すればだれでもすぐに使えるようになります。

それではさっそく、お手並み拝見と行きましょう。私が主に書いているのは歴史ファンタジー。では、この分野でAIさんの力を借りられるでしょうか。

最初に「面白い歴史ファンタジーのあらすじを教えて」と聞いてみました。

すると、既存の歴史ファンタジーのあらすじが出てきました。聞き方を間違えましたね。

では、歴史ファンタジーのあらすじを作ってもらうことにしてみましょう。

ふと、自分が書いた小説を、AIだったらどのように書くのかな?と興味がわきました。同じ題材で、どのように作ってくれるでしょうか。

 

私の作品の中で一番売れているのは、『遠の朝廷(みかど)にオニが舞う』。

第58回講談社児童文学新人賞と、第26回児童文学ファンタジー大賞で最終候補となった作品で、発売から2年以上たっても毎月新規のご購入を頂いており、大変ご好評を頂いている作品。この作品のあらすじはこんな感じです。(Amazonの販売ページより。ネタバレなし)

7世紀末の太宰府。新羅からの公使の一行を見物していた豪族の娘・瑠璃子は、公使の従者の一人に異形のものが憑いていることに気づく。とっさに不思議な舞でそれを祓った瑠璃子の幼なじみ・鈴丸は、「オニが来る」と謎の言葉を残して倒れてしまう。やがて太宰府を中心に、恐ろしい流行病・疱瘡(天然痘)が広がり始め……。令和発祥の地・古代太宰府を舞台にした「鬼」より古い「オニ」の物語。

このお話は、九州最古の寺、武蔵寺に伝わる『武蔵寺縁起』を元にしたお話。瑠璃子は、『武蔵寺縁起』の主人公で伝説上の人物・藤原虎麿の一人娘です。

AIでしたら、このお話をどのように書くのでしょうか?

 

2.ChatGPTが『遠の朝廷にオニが舞う』を書いたら

そこでさっそく、「7世紀、大宰府、武蔵寺、藤原虎麿をキーワードに歴史ファンタジーのあらすじを作って」とお願いしてみました。

すると、こんな回答が返ってきました。

7世紀、大宰府には藤原虎麿という名の官吏がいた。彼は大宰府の重要な役職を務めており、天下の治安維持や税制改革に尽力していた。しかし、彼にはもう一つの顔があった。彼は秘かに武蔵寺という寺を訪れ、そこで修行を積んでいた。

武蔵寺は、外からはただの普通の寺に見えるが、その奥深くには秘密の通路や宝物庫が隠されていた。虎麿はこの寺で、仏教の真理を学ぶだけでなく、そこに隠された秘宝を探し求めていた。

ある日、大宰府に突如として異変が起こった。国境を越えて来た謎の軍勢が、大宰府の官庁や住民を襲撃していたのだ。虎麿は直ちに対処に乗り出し、自ら率いる部隊を結成して戦いに臨んだ。だが、敵はなぜか彼らの攻撃をかわし、次々と奇襲を仕掛けてきた。

虎麿は、この異変が武蔵寺に隠された秘宝に関係があると確信する。そこで、彼は武蔵寺に向かい、秘密の通路を辿って宝物庫にたどり着いた。そして、そこで驚くべき真実を知ることになる。

武蔵寺の宝物庫には、謎の文書が隠されていた。それは、今から数百年前に、ある大陸で起こった神話的な戦いの記録だった。その戦いには、超人的な力を持つ存在たちが参戦しており、そのうちの一人が現代の虎麿に瓜二つの姿をしていた。

虎麿は、その文書を手に、自分がその超人的存在の末裔であることを知る。そして、彼が持つ超人的な力を使い、謎の軍勢を打ち破った。これを機に、彼は自分の正体を隠しながらも、超人的な力を使って大宰府を守ることを決意するのであった。

 

うーむ。

ストーリーとしてはよくできていると思いますが、実際の歴史と重ね合わせると、突っ込みどころが満載です。

国境を越えてきた軍勢って? たとえば、唐や新羅としますと、7世紀には663年に白村江の戦いという大きな戦争が起こっています。それとどう整合性を取るのでしょうか。

もし日本の中の他の国、となりますと、この時代は中央集権国家が成立しかかっていますから、軍勢が攻めてきたとなれば内乱になります。「敵」の背景は?

ある大陸で起こった神話的な戦い……この時代ならユーラシア大陸のどこかでしょうが、写真もない時代に「数百年前の人物」と「7世紀の虎麿」が「容姿がそっくり」だとどうして分かるのでしょうか。

超人的な存在……これだけではいかにも安易です。説得力を持たせるには、作家が相当知恵をしぼらねばならないでしょう。

『遠の朝廷にオニが舞う』を読んで下さった皆様は、どうお感じになりましたか?

 

3.なぎの感想「現時点のchat GPTは歴史小説には不向きである」

おそらく、既存の作品の要素を抽出して作ったあらすじに、場所や人名などのキーワードを入れ替えて作成したものと思われます。

しかし、この時点では、このAIは、打ち込んだキーワードから新しく話を作ることはできても、打ち込んだキーワードの周辺情報(日本の7世紀の大宰府周辺の政治情勢、国際情勢、武蔵寺と虎麿の関係)などを収集することはできていないように思います。

人名と寺の名前の区別ができ、「大宰府」が政治機関であるという認識ができている、という程度。

ですから、たくさんの人が「面白い」と思えるストーリーは作れても、史実と整合性が取れていない。

全く同じキーワードでもう一度試してみましたが、今度は虎麿を「騎士」とするなど、日本の歴史を無視したあらすじを作ってきました。

今の時点では、歴史小説には不向きかもしれません。

けれど、現代小説を書く上では、大多数の人が「面白い」と思ってくれるであろうあらすじを作ってくれるので、かなり強力な味方になりそうです。

また、情報は2500文字程度までしか打ち込めないようなので、「長編小説をもっと面白く書き換えてもらう」などの用途には使えません。

現時点でこのAIを使うとしたら、「現代小説のあらすじを作ってもらう」というところでしょうか。

続いて、Bing chatも試してみました。するとこちらは違う手ごたえがありました。

続きは次回の記事でゆっくりご紹介したいと思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

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