皆さん今日は、珠下(たまもと)なぎです。
今日も来て下さって、ありがとうございます!
今回は前回の続き。九州国立博物館で開催中の『加耶』展の展示をご紹介します。
加耶諸国は562年に滅びますが、朝鮮半島南部の渡来人は海を越え、様々な優れた文化や技術を日本に伝えます。
渡来人の活躍の様子や、彼らが伝えた文化や技術の痕跡は、日本の古代の出土品からもうかがい知ることが出来るのです。
1.渡来人の活躍
千葉県市原市で出土した、渡来人型の埴輪(6世紀)。手が隠れるほどの長い筒袖は、渡来人の装いだそうです。今でいう「萌え袖」ですね! 今のファッションを先取りしています。
船型埴輪(模造品)。三重県で出土した、5世紀のもの。日本と大陸を、船で活発に人々が行き来していた様子がうかがえますね。
2.朝鮮半島からの輸入文化の数々
奈良県・新沢千塚古墳から出土した、金製垂飾付耳飾り。5世紀のものです。
耳飾りの鎖は大加耶の特徴だそうです。翡翠の勾玉なども同時に出土。どれほど高貴な女性が葬られていたのでしょうか。
熊本県氷川町の物見櫓古墳からも、金製の耳飾りが出土しています。
また、鎧などの鉄製品も、大加耶のものに類似しています。(5世紀、小田茶臼塚古墳、福岡県朝倉市)
3.乗馬の技術とかわいいお馬さん。
乗馬の習慣と馬の飼育の技術も、大陸から伝わったもの。
この展示会での目玉の一つ(?)は、かわいい「埴輪の牧」!
日本各地で出土した、バラエティー豊かなお馬さんの埴輪さんたちが、一堂に会します。
西日本の馬型埴輪はひづめまでしっかり作られ、東日本のものは脚が長いなど特徴があるそうです。
「えさをあたえないでください」……って、君たち、何食べるの(笑)。
馬具をつけていない仔馬さん。よく見るとしっぽがありません。
紹介文もかわいい。「推定1500才」「まだ子ども。たいせつに育てられています」
今から成長するのかな(笑)。
ちなみに全部のお馬さんにかわいい紹介文がついています。ぜひ行ってお確かめください。
4.『加耶』展まとめ
この展示会を見て改めて思ったのは、まだ大和朝廷の支配も日本全土に及んでいなかった時代、倭国と大陸の人びとは活発に交流し合い、その中でそれぞれの文化や歴史を作り上げていったということ。
そこには明確な国境はなく、人の流れも流動的でした。
古代日本は、朝鮮半島との交流や東アジアの歴史を知らずしては語れないと、改めて実感しました。
非常に見ごたえのある展示会ですので、お近くの方はぜひお出かけください!
最後まで読んで下さって、ありがとうございました!