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たまなぎブログ by LTA出版事業部

『オールドファッションカップケーキ』4話感想~解けてしまった魔法

皆さんこんにちは、珠下なぎです。

今日も来て下さって、ありがとうございます!

 

さてさて、『オールドファッションカップケーキ』ついに4話。あと1話を残すだけになりましたね。

あ、ちなみに、『オールドファッションカップケーキ』って長いですよね。

『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』→チェリまほ

『みなと商事コインランドリー』→みなしょー

のように略称があるのかな? と思ってTwitterで聞いてみましたら、フォロワーの方から、「OFCK」と教えて頂きました。頭文字なんですね。古くからのファンの方は「オルカプ」と呼ばれる方もおられるそうです。こちらの方が言いやすそうですね、オルカプ。

というわけで、オルカプ4話感想です。盛大にネタバレしています。

これからご覧になる予定の方はご注意を。

 

1.4話あらすじ

野末さんの同期で部長の桐島さんのセッティングで、不本意ながら合コンに参加する羽目になった、野末さんと外川さん。外川さんのことが気になっている取引先の社員のために、桐島さんがセッティングした合コンでした。

合コンはおしゃれなバー。大人世代の合コンってこんな感じなんですね(行ったことないけど)。

野末さんは外川さんに近づく女性に、外川さんは野末さんに近づく女性に、それぞれ気が気ではありません。嫉妬のあまり飲みすぎ、つぶれてしまった外川さん(笑)。

介抱する野末さんに、「野末さんがお持ち帰りされそうになってたから守って差し上げたんです~」とクダを巻く外川さん。そのまま寝てしまい、野末さんはタクシーで外川さんを家まで連れて帰り、寝てしまった外川さんの部屋でそのまま朝を迎えます。

朝になって、ゆうべ話題に出たジムの話から、微妙な空気になる二人。

戸惑い、帰ろうとする野末さんを引き留めようと、ついに外川さんは一線を越えてしまいます。

 

2.解けてしまった魔法と外川さんの性的指向

その後、順番は逆になったものの「好きです」とようやく告白した外川さん。

野末さんの驚きぶりが、男性の部下から恋愛対象として見られるなど、思ってもいなかったことを表しています。

「女の子ごっこ」「アンチエイジング」、様々な言葉の魔法で野末さんを縛っていた呪いを解いてきた外川さんでしたが、告白は今までのようにスマートにはいきませんでした。

やはり外川さんは不器用ですね。いや、一番大事なことだからこそ、言葉の魔法は使えなかったのかもしれません。

そして、「俺にとっては普通のことです」という言葉。この言葉からは、外川さんが「男性を好きになることが普通」、つまりゲイの男性だということが匂わされています。

ひょっとしたら、学生時代、「自分を好きになれなかった」ことには、自身の性的指向の問題もからんでいたのかもしれません。

野末さんに出会って、色々なことを始めて、自分を好きになれたという外川さん。入社した時からずっと、野末さんを想っていたのかもしれませんね。ちょっと泣けます。けなげ……。

 

3.ちょっとモヤモヤを感じたシーン2つ

今回は、外川さんの切ない告白シーンが胸に刺さる、とても印象的な回でした。

けれど、少しモヤモヤを感じたシーンが2か所ありました。

一つ目は、桐島さんが強引に二人を合コンに誘うシーン。「パワハラでしょ」と色をなす野末さんにもめげず、強引に話を進めてしまいます。

桐島さんと野末さんは同期ですが、外川さんにとっては一回りも上の上司で部長。これは断れません。

桐島さんは、さっぱりしていて野末さんの仕事ぶりも評価していて好感の持てるキャラだったのですが、このエピソードで「部下にパワハラ&セクハラするお局様キャラ」風になってしまったのは残念でした。合コンに参加するということは桐島さんも独身なんですよね? 原作ではどういうふうに描かれているのでしょうか?

もう一つは、外川さんが野末さんを引き留めるシーン。

「おっさんずラブ」でも思ったのですが、合意の出来ていない段階なのであれは、少し表現が古いかな、と思います。

一昔前でしたら、「強引にグイグイ迫るキャラ」にも需要がありましたし、私もこのシーンにキュンとしなかったかというと嘘になりますが(笑)、やはり今の時代にはそろそろそぐわなくなっているのではないかと思いました。これが男女だったら一発アウトです。

それを考えると、ひたすら安達くんの気持ちを尊重し、合意ができるまで決して先に進まないチェリまほの黒沢さんは偉かった。互いの気持ちを常に尊重し、ないがしろにしない。そこがまた、あの作品の魅力でもあるのだなと改めて思いました。

ただ、その後、泣きながら「俺を殴って下さい!」と懇願する外川さんの姿からは、外川さんが「自分が間違ったことをした」と痛切に感じていることは分かります。間違ったことをしてしまった、野末さんを傷つけてしまったことに、耐えきれないほどの自己嫌悪に襲われていることが伝わってくる。この表現はとても良かったと思います。

さて、この二人はこれからどうなるのでしょう。最終回、楽しみですね!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

 

 

 

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