皆さん今日は、珠下なぎです。
先日の記事には沢山の反響を頂きありがとうございました!
皆さん今日は、珠下なぎです。 今日も来て下さって、ありがとうございます! さてさて、今回はすごく真面目なお話です。 先日、Twitterで話題になっていましたね。大阪地裁が、「同性婚を認 ...
大阪地裁の判決から同性婚について考えたこと(『チェリまほTHEMOVIE』のネタバレあり)
さて、同性婚を認める立場からすると、今回の判決はとても納得できるものではないのですが、同性婚容認派と否定派の議論は、いつも噛み合わず平行線です。
Twitterなどでは今回の判決に疑念を呈する意見もありましたが、ヤフーニュースのコメント欄などを見ると、今回の判決を支持する内容が圧倒的。
同性婚について、異性婚と同様の権利を認めることについては、「ワガママ」「害悪」「少数派に合わせていたらきりがないから多数派に合わせるべき」などといった過激な発言も目立ちました。
(実際、強固な否定派はそれほど多くはないと思いますが……。朝日新聞の世論調査では、特に20~30代では8割以上が同性婚を容認していると出ています)
なぜ、同性婚容認派と否定派の議論はかみ合わないのか?
私は、主に次の3つの理由があると考えます。
①「結婚についての考え方の違い」②「人権についての考え方の違い」③「同性婚を認めたい/認めたくない心理」
長くなりそうですので、今回は①「結婚に対する考え方の違い」について述べたいと思います。
①「結婚に対する考え方の違い」
同性婚を認めないことを一部違憲とした、2021年3月の札幌地裁の判決文には、こう記されています。
「明治民法における婚姻の目的は,男女が夫婦の共同生活を送ることにあり,必ずしも子を残すことのみが目的ではないと考えられていた」
ところが、2022年6月の大阪地裁の判決では、婚姻は、『子を産み育てながから共同生活を送る男女への法的保護』としています。
これは国の主張と同じ。
つまり、結婚は子どもを産み育てるためのものであって、子を産めない同性間の間では結婚は認められない。という立場。
こうなると、腫瘍などで子宮を摘出した女性、無精子症の男性、高齢男女、子どもを持たないと決めた男女カップルなどにも結婚という法的保護は認められないことになります。
ところが実際、男女であれば子どもを産める可能性がなくても結婚は法的に認められているのです。
女性同士のカップルの場合、第3者から精子提供を受けて子どもを産み、育てることもできます。フィンランドのマリン首相は、母親と女性パートナーに育てられています。
けれど、それでも女性同士のカップルには、同性婚が認められていないのが現状です。
これだけでも否定派の論理には矛盾があるのですが、同性婚を否定するいわゆる「保守派」と言われる人々の中には、もっと別の理由があるのでは、と指摘した記事を見つけました。大変分かりやすくまとまっていますので是非ご覧下さい。
https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00711/
「別姓婚と同性婚はなぜ実現しないのか 保守派が手放したくない『男性支配の構造』」と題されたこの記事は、明治大学法学部教授の鈴木賢先生が書かれた記事。
この記事は以前アメブロでも紹介しましたが、ざっとまとめますと、保守派にとって結婚という制度は、「男性が女性を支配するための箱」である。
結婚制度を通じて男性が女性を支配する構造を維持しなければならないので、男女が対等になる選択制夫婦別姓は絶対に認められないし、男女間でない結婚は許すことができない、という構図だというのです。
一方容認派は、札幌地裁の判決にあるように、結婚は子の有無に関わらず「カップルが共同生活を送ること」であると考えます。
議論が噛み合わないはずですね。
次回は②「人権に対する考え方の違い」について考えたいと思います。
最後まで読んで下さって、ありがとうございました!